1994 Fiscal Year Annual Research Report
モノクローナル抗体結合リポソーム封入RB癌遺伝子による脳腫瘍の遺伝子治療
Project/Area Number |
05807130
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
高橋 弘 日本医科大学, 医学部, 助教授 (30150741)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 好司 日本医科大学, 医学部, 講師 (00231928)
中沢 省三 日本医科大学, 医学部, 教授 (00060351)
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Keywords | ヒト脳腫瘍 / 癌遺伝子 / リポソーム / 遺伝子治療 / モノクローナル抗体 |
Research Abstract |
平成6年度は、我々が作製したグリオーマに強く結合するASHG4モノクローナル抗体に、RB遺伝子とNeoR遺伝子を含む発現プラスミド(pLRbRNL)をリポソームを介して封入させたリポソーム-モノクローナル抗体-DNA複合体を、RB遺伝子の欠失が報告されているグリオーマ細胞株U-373MGとin vitroで反応させ、この培養腫瘍細胞でプラスミドの発現が見られることをまず確認した。 引き続いて、平成5年度に皮下移植脳腫瘍作成に用いた2種の培養悪性グリオーマ細胞U-373MGとU-87MGを用いて脳内移植悪性グリオーマモデルを作成して、平成5年度と同様の動物実験を施行した。すなわち、脳内移植腫瘍作製後7日目に、尾静脈から上記のモノクローナル抗体結合リポソームに封入されたRB遺伝子発現プラスミドを0.5Mml注入して以下の4つのコントロール群と比較検討した。4つのコントロール群とは0.5mlのリポソームのみ投与群、フリー・プラスミドpLRbRNL投与群、プラスミドpLLRNL投与群、無投与群である。 その結果、脳内に移植したU-373MG悪性グリオーマで各コントロール群に比較してRB遺伝子投与群での腫瘍増殖抑制効果を示す傾向が見られることが分かったが、今回は均一な大きさの脳内腫瘍を作成するのに若干手間取り、まだ十分な動物の実験数をこなすことができておらず、今のところは増殖抑制に関して統計学的に有意差を見い出すことができずに現在さらなる実験を継続中である。
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