1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05807159
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
藤野 明人 北里大学, 医学部, 講師 (00156895)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳増 厚二 北里大学, 医学部, 教授 (70050375)
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Keywords | BPPV(良性発作性頭位眩暈) / 平衡訓練 / 高齢患者 |
Research Abstract |
1.北里大学方式による運動療法を考案して、めまい平衡障害の病態や運動療法による効果発現機序および運動方法について分かりやすく解説した患者教育用ビデオを作成した。 2.上記ビデオを用いて外来通院中の末梢前庭性障害を対象に平衡訓練を実施した。訓練は1回15分以内、1日3回を特に問題のない限り8週間連日で施行するように指導した。 3.治療効果判定の為に自覚所見(回転性めまい、浮動性めまい、嘔気)と他覚所見(マン検査、足踏み検査、眼振検査)に4段階の重症度スコアを設け、治療前後のスコアの変化から各項目別改善度および総合した有効度の判定を行った。 4.対象を上記平衡訓練を施行した群と同期間薬物療法(ベータヒスチン)を施行した2群に分けて、各項目別改善度と全般有効度について統計学的に比較検討した。 5.自覚所見は回転性めまいが治療開始後2週で、また浮遊性めまいも4週で、平衡訓練群が薬物療法群に比較して有意な改善が得られた。 6.他覚所見はマン検査が治療開始後2週で、また眼振検査も4週で平衡訓練群が薬物療法群に比較して有意な改善が得られた。 7.患者と医師の総合的な治療評価をみる全般有効度は、平衡訓練群が薬物療法群より有意に改善がみられた。また運動療法で所見が治療前より悪化した例はなかった。 8.以上より末梢前庭性障害に対する治療として、運動療法は自他覚所見の改善に有効な方法であると結論できる。今後運動療法の普及の為に、更に効果的な運動方法の開発が重要な課題になると思われる。
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