1993 Fiscal Year Annual Research Report
細菌のスーパー抗原は歯周炎の新しい原因物質となるか
Project/Area Number |
05807171
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
金子 克 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (60048270)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根本 優子 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (10164667)
佐々木 実 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (40187133)
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Keywords | Streptococcus pyogenes / Streptococcus anginosus / Streptococcal pyrogenic exotoxin / スーパー抗原 / マイトジェニックファクター / サイトカイン |
Research Abstract |
Streptococcus pyogenesが産生するStreptococcal pyrogenic exotoxin(SPE)について、ヒト末梢血リンパ球に対する幼若化作用、サイトカインの産生および特定のTCR Vbetaを有するT細胞の増加を検討できる系(バイオアッセイ、ELISA、RT-PCR)をつくった。さらに、他のレンサ球菌属からも、SPE同様のスーパー抗原が産生されるか、SPEで確立した系を用い、7種類の口腔レンサ球菌(S.anginosus、S.sanguis、S.salivarius、S.mitis、S.constellatus、S.gordonii、S.intermedius、についてスクリーニングを行った。 【結果】1.SPEの精製:(1)S.pyogenes培養上清から、イオン交換カラムクロマトグラフィー、ゲル濾過によりSPEBを単一に精製し、精製標品でウサギを免疫して抗体を作製した。この抗体を用いて、SPEB1ng/mlの感度で測定できるELISAを確立した。(2)SPEAとSPECについては、グルタチオンSトランスフェラーゼ融合タンパクとして、大腸菌で発現させ精製した。現在、これら精製標品でウサギを免疫し抗体の作製を試みている。 2.rSPEA、SPEB、rSPECのスーパー抗原活性について:ヒト末梢血リンパ球に対する幼若化作用およびサイトカイン(TNF、IL-2)の産生を認めた。他のサイトカイン(IL-1alpha、beta、IL-6、IL-8)についてもプライマーを作製して検討中である。また、特定のTCR Vbetaを有するT細胞の増加をRT-PCRで検討している。 3.口腔レンサ球菌からのスーパー抗原様物質の検出:口腔レンサ球菌のうちS.anginosusの培養上清にマイトジェニックファクターを認め、精製中である。この物質は、ヒト末梢血リンパ球を幼若化し、ヒト末梢血単核細胞からサイトカイン(TNF、IL-2)を産生することを明らかにした。
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