1993 Fiscal Year Annual Research Report
耳下腺細胞のカルシウム動員受容体刺激に共役した脱リン酸化
Project/Area Number |
05807175
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
古山 俊介 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (50050034)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 三紀 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (70191533)
横山 紀子 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (40112958)
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Keywords | 耳下腺 / 脱リン酸化 / カルシウム / サイクリックAMP / オカダ酸 / ホスファターゼ |
Research Abstract |
ラツト耳下腺腺房細胞をサポニンを用いて可透過性にし、[gamma-^<32>p]ATPを用いて標識した。標識細胞をカルシウム動員受容体アゴニストであるメサコリンで5分間刺激すると、可溶性画分の18kDaタンパク質の脱リン酸化が観察され、カルシウム動員受容体刺激に共役する脱リン酸化の存在が示唆された。この脱リン酸化の機構については現在検討中である。一方、この実験の最中に、サイクリックAMP刺激でリン酸化される膜画分の34、26および22kDaタンパク質が脱リン酸化されることに注目し、それに関わる脱リン酸化機構についても検討した。これらのタンパク質はセリン/スレオニン残基がリン酸化されていることはすでに明らかであるので、セリン/スレオニンタンパク質脱リン酸化酵素の関わりを検討した。このタンパク質脱リン酸化酵素は一般的に4つのタイプが知られている。34kDaタンパク質においては、1型および2A型ホスファターゼの阻害剤であるオカダに感受性があり、Zn^<2+>により活性化されるホスファターゼの関与が明らかとなった。さらにCa^<2+>/カルモジュリン依存性ホスファターゼ(2B型ホスファターゼ)も1部関与していることが明らかとなった(投稿準備中)。22kDaタンパク質に関しては、オカダ酸に非感受性の2B型ホスファターゼが非常にゆっくりとした時間で脱リン酸化を引き起こすことが観察された(投稿準備中)。26kDaタンパク質においては、オカダ酸に非感受性であり、さらにMg^<2+>依存性のホスファターゼの関与がみられ、リコンビナントの酵素の効果も得られたことから、2C型ホスファターゼによる調節が示唆された(投稿中)。さらに、この酵素活性は、カルシウム動員とは関与せずにbetaアドレナリン受容体刺激により活性化されることから、受容体刺激に関与した脱リン酸化が考えられ、この点についても検討中である。
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