1993 Fiscal Year Annual Research Report
破骨細胞、骨芽細胞および歯根膜細胞に対するpHの影響
Project/Area Number |
05807184
|
Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
澁谷 俊昭 朝日大学, 歯学部・歯周病学講座, 講師 (40206149)
|
Keywords | Osteoclast / Osteoblast / Periodontal Ligament Cells / pH / in vitro |
Research Abstract |
本研究は歯周組織に存在する主要な細胞、とくに破骨細胞、骨芽細胞、歯根膜細胞について各々の細胞にたいする酸性環境の影響をIn vitroで明らかにするものである。まず破骨細胞に関して、ウサギより分離した単離破骨細胞をウシ骨片上で一定期間培養し、形成された吸収窩の数と面積を測定し、破骨細胞の活性を評価する系を用い、培養液中のpHの影響を検討した。培養液のpHを6.5,7.0,7.5に設定し、破骨細胞を培養した結果pH6.5の群ではpH7.5の群よりも有意に高い吸収活性を示した。しかし酒石酸耐性酸フォスファターゼ活性をもつ細胞を定量すると、多核細胞および単核細胞(前破骨細胞)ともにpH6.5群よりもpH7.5群で有意に高かった。このことから低pH培養条件下では破骨細胞の骨吸収活性は上昇するけれども破骨細胞の分化活性は低下することが明らかとなった。さらにpH7.5で培養した細胞を24時間後にpH6.5に移すとpH7.5で48h培養した群に比べ有意に吸収活性が上昇することから、この現象が可逆的あることを認めた。またpH6.5で培養した破骨細胞の酸性フォスファターゼのmRNAを In situ hybridyzation法により検討したところ細胞内で上昇する傾向が観察された。 破骨細胞に対する検討は順調に遂行し、好結果を得ることができたと考えられる。しかしながら骨芽細胞に対する影響については株化細胞によるほうが有効ではないかと思われるため、現在検討中である。
|