1993 Fiscal Year Annual Research Report
顎骨内海綿骨の強圧洗浄による脂肪細胞の排除がインプラント周囲骨形成に及ぼす影響
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05807186
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
塩田 真 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (90196353)
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Keywords | デンタルインプラント / ハイドロキシアパタイト / 強圧洗浄 / 脂肪細胞 |
Research Abstract |
デンタルインプラントや顎堤挙上に代表されるハイドロキシアパタイトの補綴領域への応用は埋入技術の改良や経験の蓄積等により、従前に比し信頼性が確実に向上している。しかしながら、骨梁構造の劣弱な顎骨や脂肪組織を多量に含み活性の低下している顎骨等に対する手術方法として、アパタイトグラニュール等の顎骨内填入や骨誘導因子(BMP)の応用等が考察されているが、十分な信頼性は現在獲得されていない。このような顎骨に対する手術方法の要諦は、骨性結合獲得のより高次な確実性であり、研究代表者らは、顎骨内部海綿骨を洗浄し脂肪細胞を排除することによる組織活性の向上・骨組織形成増大の可能性がそれに大きく寄与すると考えた。今回、基礎的実験により脂肪細胞の排除が組織形成に及ぼす影響検索を行った。 成犬の下顎両側第3、4小臼歯、第1大臼歯を抜歯8カ月後、第1大臼歯根間中隔相当部およびその20mm近心側に注入孔(排出口)を形成し生理的食塩水による強圧洗浄を行った。生理的食塩水注入後、1時間、5日、10日、2週、1カ月、3カ月で顎骨を摘出し、10%ホルモールアルコールにて固定後リゴラック包埋し非脱灰研摩標本を作成しトルイジンブルー染色を施し組織学的に観察した。 顎骨内海綿骨域では、1気圧程度の生理的食塩水の注入圧で注入孔間を貫通する破壊が生じた。また、脂肪髄組織が流出した部およびその周囲の広範な領域に出血が生じた。出血した海綿骨域では、注入後2週から1カ月にかけて骨梁が大量に形成された。また、新生骨髄には多数の洞様血管や造血がみられ、その組織活性がかなり向上していることが認められた。
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Research Products
(1 results)