1994 Fiscal Year Annual Research Report
音響学的見地よりみた木管楽器奏者用リップシールドの補綴的研究
Project/Area Number |
05807188
|
Research Institution | Aichi-gakuin University |
Principal Investigator |
中野 和彦 愛知学院大学, 歯学部・歯科補綴学講座, 講師 (80183515)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 太造 愛知学院大学, 歯学部・歯科補綴学講座, 助手 (70192127)
平沼 謙二 愛知学院大学, 歯学部・歯科補綴学講座, 教授 (00064783)
|
Keywords | 楽器 / リップシールド / 吹奏楽器 / 木管楽器 / 音響 / FFTアナライザ / 歯科用レジン |
Research Abstract |
サキソホン、クラリネットなどの木管楽器吹奏時には、下顎前歯と楽器のマウスピースの間に下唇を巻き込むため、大多数の奏者では、長時間の演奏を行うと下唇に前歯の圧痕ができ疼痛が生じている。また、裂傷が発生する場合もある。このため、下顎前歯部の切縁と下唇の間に紙やビニールなどを介在させ吹奏するもの、市販の保護材料で保護するもの、また少数であるが歯科医の製作におるリップシールドを使用している奏者などがいる。 本研究は、このリップシールドの形状、材質とその音響学的影響について検討し、さらに下顎位の位置などより有効な条件を抽出・解明して、理想的なリップシールドを開発するものである。 昨年度は、リップシールドをさまざまな形態で作製し、比較検討した。 その結果リップシールドの上面中央がやや盛り上がった形態である、我々が開発したいわゆる「中野式」リップシールドが吹奏時における下唇の疼痛を取り除くだけでなく、安定して吹奏ができることが示された。 本年度は、リップシールドを種々の材料(歯科用レジン、軟性樹脂、歯科用金属など)で作製し、検討した。 すなわち、各リップシールド使用時の吹奏音(音の立ち上がり時・一定音になっているとき)を、楽器に取付けた加速度ピックアップを通して、アンプで増幅した後、FFTアナライザーに入力し、それをパワースペクトルに変換して解析を行なった。 その結果、材料的には歯科用レジンがよい結果を得ることが出来た。さらに、症例数を増やし検討を進めていく予定である。
|