1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05807194
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岩倉 政城 東北大学, 歯学部, 助教授 (90005067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 聡子 東北大学, 歯学部, 助手 (60250792)
井川 恭子 東北大学, 歯学部, 助手 (40241640)
志村 匡代 東北大学, 歯学部, 助手 (10233602)
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Keywords | 疫学調査 / 質問紙 / 胃炎 / 胃潰瘍 / 口腔 / 現在歯数 / 喪失歯数 / ストレス |
Research Abstract |
本研究は消化器疾患の有無が口腔状態とどのような関係にあるかを明らかにし、全身の健康と歯科、口腔領域の健康との関連性を明らかにし、これを通じて人にとっての口腔の健康の果たす役割を解明する事が目指されている。 初年度の平成5年では、宮城県内一農村地区の成人健診受診者に対して視診型の口腔診査を実施し、併せて質問紙から胃疾患の有病および口腔の自覚症状等を調査した。 本年度の結果は、胃疾患の有病者と健常者の両群との統計学的比較から、1)現在歯数、2)喪失歯数、3)歯痛、4)口内炎、5)口角炎、6)味覚異常、7)歯で悩んだ経験等、多くの項目で両群間に有意の差が検出された。 このことは、いままで内科学書に消化器疾患と口腔症状の関連についての記載を裏付ける結果であった。すなわち胃炎、胃潰瘍が口腔の諸症状の引き金となっている可能性を強く示唆している。また、歯の喪失等の咀嚼能力の低下もまた消化器系に影響を及ぼしている事を示している。さらに興味深い事は、「歯痛」、「歯で悩んだ経験」という口腔に関わる"ストレス"が胃疾患の有病と関係している事で、これは単に歯の喪失による咀嚼力の低下だけでなく、口腔由来の疼痛等のストレスもまた胃炎、胃潰瘍の引き金となっている可能性を示唆しているものと思われる新しい発見である。
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