1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05807202
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
上野 雅晴 富山医科薬科大学, 薬学部, 教授 (40080197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 京子 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (60110623)
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Keywords | 人工膜ワクチン / MDP誘導体 / 混合ベシクル / 膜 / B30-MDP / 界面活性剤除去法 / 準弾性光散乱 / 電子常磁性共鳴 |
Research Abstract |
人工膜ワクチン作成のための基礎研究の一貫としてMDP誘導体とリン脂質よりなる混合膜の性質を検討した。実験方法:リン脂質とMDP誘導体の総量を10mgとして種々の割合で混合してベシクルを調製した。調製方法は、界面活性剤にオクチルグルコシドを用い、界面活性剤除去法に従った。形態および性質は準弾性光散乱法、Clイオンの透過性、電子顕微鏡観察、電子常磁性共鳴法等より評価した。結果:2本鎖を有するB30-MDPでは混合割合の増加にともない3種の形態をとった。40%まではサイズは約200nmの1枚膜ベシクルであった。60%ではベシクルの集合体、80%をこすとサイズ1u以上の巨大なオリゴラメラベシクルを形成した。膜の流動性はB30-MDPの増加とともに低下し、B30-MDP単独ではゲル状態にあるDPPCと同程度の流動性を示した。膜のバリヤー能は混合比60%まではB30-MDPの増加とともに増加したが、60%をこすと逆に低下した。DV-7401では40%まではB30-MDPと類似の挙動を示したが、60%以上ではトラップ能を持たない繊維状の凝集体が現れた。極性部分のわずかな違いが脂質の凝集状態を大きく変えた。膜流動性はB30-MDPと同様DV-7401の増加とともに低下した。一方1本鎖のDJ-7041の場合は混合割合の増加にともない、ベシクルのサイズは急激に減少し、膜のバリヤー能は低下し、流動性はわずかに高まった。2本鎖と1本鎖のMDP誘導体で膜物性に対する影響が顕著に異なった。
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