1993 Fiscal Year Annual Research Report
顆粒球の血管内皮細胞認識と血管外遊走における血小板活性化因子の役割解析
Project/Area Number |
05807205
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡邉 雅子 東北大学, 薬学部, 講師 (90182948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大内 和雄 東北大学, 薬学部, 教授 (20006357)
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Keywords | 血管内皮細胞 / 細胞遊走 / 血小板活性化因子 / 接着 |
Research Abstract |
急性炎症やアレルギー性炎症の実験モデルであるラットのアレルギー性空気嚢型炎症モデルでは、血小板活性化因子(PAF)拮抗薬により局所への好中球浸潤が抑制され、好中球浸潤を抑制した結果として局所での走化活性が低下する。そこで、好中球の血管内皮細胞認識(接着)とtransendothelial migrationにおける血小板活性化因子(PAF)の関与を培養ヒト臍帯静脈血管内皮細胞を用いて解析し、また、浸潤好中球の産生する走化性因子について解析した。 その結果、血管内皮細胞はトロンビンやヒスタミン刺激により細胞結合型のPAFを産生し、また、トロンビンやヒスタミンはLTB_4などの走化活性物質の存在下、好中球のtransendothelial migrationを促進すること、PAF拮抗薬はトロンビンやヒスタミンの作用のみ特異的に抑制するという結果が得られた。また、血管内皮細胞上の接着分子(ICAM-1,ELAM-1,GMP-140)の発現・誘導に対し、PAF拮抗薬は影響を与えないことがわかった。したがって、PAF拮抗薬は、トロンビンやヒスタミン刺激により血管内皮細胞が産生する細胞結合型のPAFに拮抗して、血管内皮細胞上の接着分子の発現や機能とは関わりなく好中球接着を抑制することが示唆された。また、細胞結合型のPAFは、浸潤に先立つ接着の段階にのみ関わり、浸潤好中球による走化活性因子の産生には関与しないことが示唆された。さらに、浸潤好中球の産生する走化活性因子は、脂質ではなく蛋白質性の因子であり、LDNCF-1およびLDNCF-2(Leukocyte-derived neutrophil chemotactic factor)と名付けた少なくとも2つの因子からなり、等電点4付近のLDNCF-1については、新規の走化活性ペプチドである可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)