1993 Fiscal Year Annual Research Report
VO_2maxに代わって主観的健康度によって運動処方の判定を行う方法に関する研究
Project/Area Number |
05808013
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
小原 達朗 長崎大学, 教育学部, 助教授 (80112366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 雅雄 長崎大学, 教育学部, 講師 (70217941)
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Keywords | 運動処方 / 健康度 / 主観的健康度 / ポジティブ得点 / ネガティブ得点 / 健康度パターン / VO_2max |
Research Abstract |
健康のための運動処方を行うには、運動の種類、強度、頻度などの条件を決定しなければならない。そのために最大酸素摂取量(VO_2max)が有効な指標とされているが一般性に欠ける面がある。主観的運動強度(SHS)は、これに代わる簡便な尺度であるが、VO_2maxとの関連性を高める必要がある。SHSが有効な尺度になるか、その妥当性について現段階で以下のような成果を報告する。 1.SHSの作成に関して SHSは、先行研究で一般的な健康に関する項目をあげていたが、今研究ではVO_2maxに関連する因子として年齢、運動歴、運動実施状況、肥満度などを含むポジティブ項目15項目、ネガティブ項目15項目の30項目の質問を作成した。P項目とN項目は、r=0.490の有意な相関を示し、その分布も今回の対象者では偏りは見られなかった。 2.SHSとVO_2maxとの関連性 VO_2maxとP得点、N得点およびP+N得点とはいずれも有意な相関を示し、SHSが抵抗力的側面と体力的側面の健康度を反映することが認められた。 3.健康度パターンとVO_2maxとの関連性 SHSを9分割してP/Nの比重の異なる健康度パターンを作成し、VO_2maxとの関連を見た。健康度の低いCcパターン群で血圧が高く、VO_2maxが低い傾向にあり、健康度パターン別の運動処方の判定の可能性もある。しかし、9分割したほどの細分化された特定の傾向は認めていない。 4.当初の研究目的に対し、これを支持するような成績を得た。しかし、まだ一般化するほどの精度はない。被験者を広範な年齢や職種また女性も含めることなど課題が残されている。これらについては、継続して研究する必要がある。
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