1995 Fiscal Year Annual Research Report
英語教育におけるAET(外国人青年英語指導助手)制度に関する実証的研究
Project/Area Number |
05808024
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Research Institution | TOTTORI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
足立 和美 鳥取大学, 教育学部, 助教授 (00202630)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
シーン ロナルド 鳥取大学, 教育学部, 教授 (70230901)
マッカーサー ダグラス 鳥取大学, 教育学部, 外国人教師 (10252842)
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Keywords | ALT / JETプログラム / 共同授業(TT) |
Research Abstract |
英語教育における外国人青年英語指導助手制度に関し、鳥取県内の学習者、日本人英語教師、およびALTの三者から得られたデータをコンピュータで処理し、その結果を基に同制度の受容度、有効性、改善点についての考察を行った。 中学生、高校生(有効回答数、3,791)のデータ分析の結果、ALTの授業への参加は、学習者の動機づけ、授業中の集中度といった情意面に大きな影響を及ぼしていることが分かった。一方、学習者の英語学力や学習スキルの面では改善が必要であることが判明した。 日本人英語教師(有効回答数、44)のデータ分析の結果、JETプログラムは概ね好意的に受け入れられていることが判明した。特に年令の比較的若い日本人教師は、ALTとの接触を活用し自らの英語力を向上させているという分析結果が得られた。改善点としては、ALTとの共同授業(TT)では、授業内容が音声面の指導に片寄る傾向が強いために、通常の授業内容との間に連続性が保てない欠点が指摘されている。授業の質を向上させるための手段として、多くの日本人教師が一人のALTを一校に常駐させることを希望しており、また一部の高等学校では、ALTと共に行うライティングの授業を試みていることが分かった。 ALT自身もJETプログラムには好意的なものの、実際の教育活動の中では疎外感を感じている者が多いという結果が得られた。この原因としては、有効な授業法や教材の不足が上げられている。同時に調査の結果から、多くのALTが自分独自の教材で単独で授業を行うことに興味を抱いていることも判明した。また、日本人教師とALTは、教室内での日本語の使用について意見が分かれていることも明かとなった。
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