1993 Fiscal Year Annual Research Report
古文書を表現するためのマルチメディアデータモデルの研究
Project/Area Number |
05808035
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
北村 啓子 国文学研究資料館, 研究情報部, 助手 (60204913)
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Keywords | マルチメディア / ハイパメディア / テキスト処理 / 古文書 / 国文学 |
Research Abstract |
昨年度までの成果であるマルチメディアデータモデルの構想に従って、本年度は源氏物語を題材に手書き文字列検索システムを開発した。当館所蔵の源氏物語の一部のイメージデータとテキストデータ(本人翻字)ならびに行単位の対応情報を作成した。テキストを使って文字列検索した結果を両者の対応情報を利用してイメージ上で見るプロトタイプを開発した。現在、対応情報は行単位のみではあるが、古文書一般に適応し得るデータモデルであると考えている。 このマルチメディアデータモデルの考え方ならびにプロトタイプについては情報処理学会その他で論文発表を行い、特に古文書を計算機で扱う際のヒューマンインタフェースとして評価を受けた。 テキスト処理については、国文学らしい検索機能について検討を行ない、汎用的な処理ライブラリの開発を行った。具体的には堀河百首を対象に、ヨミを含めた異表記の検索、係受け関係の検索、和歌配列の規則性に基づいた和歌の編集、等。ここで開発した検索機能は上記手書き文字列検索システムに組み込んで行く予定である。 また、他の和歌集に適応して行き、処理プログラムの汎用性を評価する計画である。 開発したプロトタイプシステムを成す各ツールとテキスト処理プログラムをフリーソフトウェアとして国文学者に配布する準備を行っている。
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[Publications] 北村啓子: "写本版本のテキストを計算機で処理するために-テキスト処理プログラミングへのいざない-" 国文学研究資料館紀要. 20. (1994)
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[Publications] 北村啓子: "古文書を分析するためのHCI" 情処ヒューマンインタフェース研究会. 94-HI-53. 63-70 (1994)
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[Publications] 北村啓子: "古文書を表現するためのマルチメディアデータモデル" Advanced Database Syatem Symposium. 235-244 (1993)
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[Publications] 北村啓子: "古い著作物を分析するための計算機環境-和歌文学を題材に-" 情報処理学会全国大会第47回. 4,2C-1. 95-96 (1993)