1993 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエの(6-4)光産物に対する光回復酵素
Project/Area Number |
05808049
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤堂 剛 大阪大学, 医学部, 助手 (90163948)
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Keywords | 紫外線損傷 / DNA修復 / 光回復酵素 / (6-4)光産物 / ショウジョウバエ |
Research Abstract |
ショウジョウバエEmbryo細胞により(6-4)光回復酵素を純化する事に成功した。精製蛋白を用い以下の事を明かにすることに成功した。 1)紫外線照射したプラスミドの生存率の回復をみる系でAction Spectrumを決定したところ、440nmにピークを持つ事が明らかとなった。この事は、この光回復酵素が、8-deazaflavinを補酵素として利用している事を示唆している。 2)(6-4)光産物は313nmの光によりDewer型に光異性化するが、実際の太陽光による照射では生成した(6-4)光産物が太陽光に含まれる近紫外光によりほとんどがDewer型に変化している事が知られている。(6-4)光回復酵素は、このDewer型をも光回復する事を発見した。 3)TC,CC,TT,CT配列のみを持つDNAプローブを作成し、これらの配列に(6-4)光産物が生じたものを基質として修復を行ったところ、TC,CC,TTいずれも効率良く修復できる事が解った。 4)(6-4)光産物のみを持つ(ピリミヂンタイマーを取り除いた)DNAを精製蛋白で処理しKlenow fragmentを作用させたところ、修復された(6-4)光産物はpolymeraseの基質として読まれる事が解った。 5)制限酵素認識部位に生じた(6-4)光産物を精製蛋白により修復させたところ制限酵素で切断可能となった。以上の事は、(6-4)光回復酵素が(6-4)光産物をモノピリミヂンに正確に修復するphotolyaseであることを示している。
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[Publications] T.Todo et al.: "A new photoreactivating enzyme that specifically repairs ultraviolet-light induced (6-4)photoproducts." Nature. 361. 371-374 (1993)
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[Publications] T.Todo et al.: "Frontiers of Photobiology (Two types of photoreactivation enzyme identified in Drosophila.)" A Shima et al.(eds.)Elsevier Science Publishers B.D., 4(333-336) (1993)