1993 Fiscal Year Annual Research Report
酵素モデル等を導入した機能性アンチセンス核酸の開発
Project/Area Number |
05808051
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
篠塚 和夫 群馬大学, 工学部, 助教授 (20206105)
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Research Abstract |
平成5年度実施計画1に従い単純なRNA分解酵素モデルとして、1分子中に酸塩基触媒として機能するイミダゾール基やアミノ基を持つ誘導体を多数設計、化学合成した。また本年度実施計画2、3に従い、これらの化合物のうち単純な誘導体をホスホアミダイト化し、DNA自動合成機によるアンチセンス核酸(DNA)中への導入反応について検討を行った。この結果この様な化合物をアンチセンス核酸の末端部分に自動合成機を用いて導入できることが明かとなった。さらに実施計画4に従い、計画1で合成した化合物の活性を測定するため、リボゾームRNAを基質とした簡便なアッセイ法を検討、確立した。これにより合成したモデル化合物のいくつかがRNAのみを切断する活性を持つことが見出された。またRNA分解作用を発揮するためにはモデル化合物中に酸-塩基触媒として作用し得るイミダゾール基とアミノ基を合わせ持つこと、またRNA結合部位が存在することが必須であるとの知見が得られた。 さらに良好なRNA切断活性発揮のためにはアミノ基とイミダゾール基との相対的な空間位置に配慮する必要があるとの知見が得られた。これはアミノ基とイミダゾール基が協奏的に作用し、RNA切断活性を発揮していると考えられ、興味深い知見と言える。これらの成果については昨年中に学会発表を行い、現在学術論文の投稿を準備中である。
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