1994 Fiscal Year Annual Research Report
酵素モデル等を導入した機能性アンチセンス核酸の開発
Project/Area Number |
05808051
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Research Institution | GUNMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
篠塚 和夫 群馬大学, 工学部, 助教授 (20206105)
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Keywords | RNA / 加水分解的切断 / RNase ミミック / フォスフォアミダイト / 機能性アンチセンス核酸 |
Research Abstract |
本研究ではアンチセンス法の新たな展開として、先ずRNAを加水分解的に切断・分解する単純なRNA分解酵素モデル(RNaseミミック)を開発し、さらにこれをアンチセンス核酸分子中に導入して、特定の塩基配列を持つRNAのみを切断・分解する人工RNA制限酵素様作用を持つ、機能性アンチセンス核酸の開発を目指した。本研究の結果、次のような新たな知見を得ることができた。 1.単純なRNA分解酵素モデル化合物として、天然型酵素を模倣し、1分子中に酸・塩基触媒として機能するイミダゾール基やアミノ基を有する新規RNaseミミックを合成した。またこれらによるRNA分解反応を実施して、構造上の特徴とRNA分解活性の相関を明らかにした。 2.1の研究で得られたRNaseミミックのうち、特に高い活性を示した2種のミミックを用い、金属との相互作用、阻害剤の影響等の検討を行い、これらの物質が当初の予想どおり加水分解的にRNAを分解することを明らかにした。 3.1及び2の結果をもとに、高い活性を示したミミック化合物の活性部位を導入した新規ピリミジンヌクレオシドを合成し、これを当初の計画に従いDNA自動合成機に適用可能なフォスフォアミダイト体とすることができた。 4.3で得られたフォスフォアミダイト体を用い、ミミック化合物を導入した新規ピリミジンヌクレオシドを持つ機能性アンチセンス核酸を合成することができた。 5.当初の計画に従い、4で得られたアンチセンス核酸による相補的RNA鎖の切断実験を実施した。その結果、RNA鎖の一重鎖部分に相補的な機能性アンチセンスがRNA切断活性を示し、2本の新たなフラグメントを生成することを見出した。さらに得られたフラグメントの鎖長分析から、切断はアンチセンス中の、ミミック化合物の活性部位を導入した新規ピリミジンヌクレオシド近傍で起きていることを確認できた。
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[Publications] K.Shinozuka: "Synthesis and RNA Cleaving Activities of Polyamine Derived Novel Artificial Ribonuclease." Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters. 4. 1979-1982 (1994)
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[Publications] K.Shinozuka: "Synthesis and RNA Cleaving Activities of Artificial Ribonuclease" Nucleic Acids Research Sym.Ser.,. 31. 167-168 (1994)