1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05808056
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
黒木 和之 金沢大学, がん研究所, 助手 (20178122)
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Keywords | カルボキシペプチダーゼ / ダックB型肝炎ウィルス / ウィルスレセプター |
Research Abstract |
新規カルボキシペプチダーゼgp180のN末端領域は単離したゲノムDNAの解析から得られ、この結果、gp180の全アミノ酸一次構造を推定することができた。gp180は、1388個のアミノ酸からなり、アミノ末端にputative signal peptide,12のpotential N linked glycosylation sites、カンボキシ末端より60残基上流に21個のアミノ酸からなる疎水性領域を持つ膜糖蛋白質であり、全アミノ酸配列を3分割するようにカルボキシペプチダーゼドメインを配列している。 gp180の機能解析を行うため、得られたgp180cDNA及びゲノムDNA断片から完全長のgp180DNAを構築した。完全なgp180DNAであることは、これをSV40 early promoterに連結したのち、COS7細胞に導入しその発現をみることで確認した。COS7細胞で発現したgp180は、Biotin Surface label法により全体のおよそ10%が細胞表面に存在することがわかった。 カルボキシペプチダーゼ活性、及びダックB型肝炎ウィルス(DHBV)エンベロープ蛋白質(preS)が結合するgp180上のドメインを決定するため、各種gp180欠失変異体を作成した。はじめに大腸菌で発現させるためGST融合蛋白質となるように作成したgp180は、DHBVpreSと結合せず、蛋白質のfoldingなどに問題があってnativeな状態ではないと判断し、培養細胞での発現系に置き換えた。その結果、DHBVpreSとのbinding assayから、その結合ドメインはgp180C末端側、3番目のカルボキシペプチダーゼドメインにあることがわかった。今後、これらの変異体を用いて、カルボキシペプチダーゼ活性を測定し、gp180の構造と機能について論じたい。
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