1993 Fiscal Year Annual Research Report
動物細胞におけるATPに非依存的なアシルCoA生成系-その機構および意義
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05808059
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
杉浦 隆之 帝京大学, 薬学部, 講師 (40130009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 清子 帝京大学, 薬学部, 助手 (30241277)
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Keywords | アシル-CoA / CoA / トランスアシレーション / 不飽和化 / 鎖延長 / 膜リン脂質 / ホスファチジルイノシトール / ホスファチジルコリン |
Research Abstract |
今年度の研究により以下のような点を明らかにすることができた。 1.膜脂質からのATP非依存的なアシルCoA生成反応の解析。 ラット肝ミクロゾームを用いた実験からVmaxは0.8nmol/min/mg,CoAに対するみかけのkm値は170muMと計算された。基質となる脂質を詳細に検討した結果、外から加えた場合でも、膜内在性の場合でも、ホスファチジルイノシトールが最もよい基質であり、ホスファチジルコリンがこれに次ぐものであった。実際,アシルCoAの生成に伴って多量のリゾホスファチジルイノシトール,リゾホスファチジルコリンの生成が認められた。また、様々な臓器について生成するアシルCoAの脂肪酸部分を調べたが、どの場合でもアラキドニルCoAが圧倒的な割合を占めていた。アシルCoA生成に際しては、著しいドナー基質特異性があるものと考えられた。 2.膜脂質に含まれる脂肪酸の不飽和化・鎖延長における意義。 ラット肝ミクロゾームを用いた実験から、膜リン脂質にとりこまれたステアリン酸,リノール酸,リノレン酸,エイコサペンタエン酸等は効率よく、ATP等の非存在下で代謝を受けることが明らかとなった。この反応に際しては(1)のATP非依存的なアシルCoA生成が中心的な役割を演じているものと思われる。
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