1993 Fiscal Year Annual Research Report
細胞分裂期におけるミオシンリン酸化の役割に関する研究
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05808066
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
細谷 浩史 広島大学, 理学部・生物科学科, 助教授 (90183102)
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Keywords | ミオシン軽鎖 / 細胞分裂 / 細胞周期 / リン酸化 / cdc2キナーゼ / ミオシン軽鎖キナーゼ / アクチン / 細胞骨格 |
Research Abstract |
平成5年度は、主に細胞分裂期におけるミオシンリン酸化に関する検討を行うことを目標にした。この点に関しては、「細胞分裂期には、間期に比べMLC(ミオシン軽鎖)をリン酸化する活性が高い」という結論が得られた。 引続き、細胞分裂期にMLCをリン酸化するカイネースの同定に研究の中心を移し、MLCをリン酸化する事が知られているMLCKは、分裂期にMLCをリン酸化せず、分裂期に活性化されることが一般的に知られているcdc2カイネース以外のカイネースが、細胞分裂期にMLCをリン酸化している事が明らかになった。我々は、既に分裂期にMLCKがリン酸化され活性を低下させることを明らかにしているので、MLCK(およびcdc2カイネース)以外のカイネースが分裂期に活性化され、ミオシン活性を制御している可能性が高い事が今回の成果により明らかになった。 本年度の成果を要約すると次のようになる。 (1)実験にはHela細胞を使用し、分裂期および間期の細胞粗抽出液を調製し、ミオシン軽鎖(MLC)を基質として両者のリン酸化活性を比較した。その結果、両期において、リン酸化活性は認められたが、分裂期にその活性はより高いことが明らかになった。 (2)リン酸化されたMLCを単離し、リン酸化を行ったカイネースの同定を行った。同定には、2次元リン酸化ペプチドマッピング法を用いた。その結果、cdc2カイネースやミオシン軽鎖カイネース以外のカイネースが分裂期にMLCをリン酸化している可能性が明らかになった。 (3)Hela細胞では、細胞を高度に同調させ、細胞周期の各期で大量の細胞粗抽出液を得る事は困難なため、天然の同調細胞として、棘皮動物卵細胞(ウニ)を使用して、細胞周期の各期の細胞粗抽出液を調製した。これらの粗抽出液を用いて、MLCリン酸化活性がどの時期に高くなるかを検討したところ、M期初期に一番リン酸化活性が高くなることが明らかになった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] N.Hosoya: "Localization of caldesmon and its dephosphorylation during cell division" Journal of Cell Biology. 121. 1075-1082 (1993)
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[Publications] M.Kotani: "Evidence for direct binding of intracellularly distributed gauglieside GH2 to isolated vimentin intermediate filaments in normal and Tay-Sachs disease human fibroblasts" Cell Structure and Function. 18(in press). (1993)
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[Publications] 細谷浩史: "細胞周期とアクチン構造" MEBIO. 10. 41-46 (1993)
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[Publications] 細谷浩史: "細胞分裂の制御とミオシン軽鎖キナーゼ" 生化学. 65. 179-183 (1993)
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[Publications] 細谷浩史: "細胞周期とミオシン軽鎖キナーゼ" Annual Review細胞生物学. 3. 138-144 (1993)