1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05808086
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
宮下 收 東京電機大学, 理工学部, 教授 (20120123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐久間 一郎 東京電機大学, 理工学部, 助教授 (50178597)
福井 康裕 東京電機大学, 理工学部, 教授 (60112877)
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Keywords | 血液ポンプ / 遠心ポンプ / 血栓 / 溶血 / 人工臓器 / 開心術 |
Research Abstract |
本年度は、前年度一部試作を始めた振動の少ない容器懸垂式ポンプの駆動機構の試作を完了させ、本研究の目的である懸垂容器旋回式血液ポンプの評価を行うことを目標とし研究を行った結果、以下のような知見を得た。 1.昨年度報告した公転ポンプ容器では変形可能な膜とポンプ容器内面がわずかに接触する状態で最も大きな出力を得ることが可能であったが、これは接触部分で血球に大きな摩擦を与えるために血球破壊を引き起こすものと考えられた。本年度は、ポンプ容器形状を工夫し、変形可能膜と容器内面が接触しないポンプ容器を試作した。公転半径5mm、3000rpmにて負荷約80mmHgに対して6L/minの出力を得ることが可能であった。 2.この容器に対してウシ血液を使用した溶血試験を実施した。若干の改善が見られたが依然血球破壊は大きく、溶血指数(Index of Hemolysis,I.H.)で0.09程度であった。ポンプ内面の表面粗さの改善・機械的振動の軽減が重要な課題である。 3.これらの知見に基づき、ユニバーサルジョイントによりポンプ上下を支持し、ポンプ上部側は回転中心に固定し、ポンプ底部側を偏心を持たせて回転させる懸垂容器旋回式ポンプ駆動機構を試作・検討した。 4.ポンプ駆動部は無保守化に有利なインバータ駆動誘導モータを使用したが、純正弦波駆動時の特性との対照のため、可変周波三相正弦波電源を試作した。これら装置の受電に際しては、入力力率の低下および電源側電流の高調波発生の問題があり、これらの問題を解決するため単相整流器の新しい制御法を提案した。 以上のように、本血液ポンプの基礎考察およびシステム化のための駆動部の改善を行った。ポンプ特性の詳細な検討および改善を図るためには、今後、種々の形状のポンプ容器の試作および実験・検討が必要である。
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[Publications] O.Miyashita: "High Power Factor PWM Rectifiers with an Analog Pulse-Width Predictor" Proceedings of IEEE Applied Power Electronics Conference. 563-568 (1994)
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[Publications] 佐久間一郎: "揺動型血液ポンプの開発(第二報)" 第6回バイオエンジニアリング学術講演会講演論文集. 73-75 (1994)