1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05835014
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Research Institution | Otani Womens University |
Principal Investigator |
中村 浩 大谷女子大学, 文学部, 教授 (10121873)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 正志 福井大学, 教育学部, 教授 (70093440)
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Keywords | 西日本 / 考古地磁気 / 年代推定 / 型式偏年 |
Research Abstract |
近畿以西の西日本における考古地磁気の測定結果について再検討を行うのが本研究の課題である。さらに考古学の手法によって行ってきた型式偏年資料から得られた年代とのクロスチェックは、本年度実施した重要な作業のひとつである。 これらの前提に従って過去に測定され公表された地磁気測定が、どのような状況で行われたのかを、まず検討することとした。最初にすでに得られているデータについて収集して現状でのデータベースを作成し、フロッピディスクに入力した。さらに同時に出土した須恵器についても考古学上の観察を行い、型式偏年の基礎となっているものとの比較検討を行った。 これらの作業で、現状での考古地磁気年代推定の成果の確認ができたと思う。しかし、その過程で、従来の地磁気の採集部位が必ずしも一定ではなく、対象となった焼土と一概にいっても、その部位が床面でない場合でも、かっては採集していた可能性が明らかとなった。その場合、一体どの時期の焼土が測定の結果に影響を与えているのかが問題となってきた。この問題の解決には、サンプリング当時の採集部位の写真や図面が必要であるが、その収集には時間がかかるとともに、廃棄された可能性もあり、困難が予想された。したがって今年は、比較的最近のデータである福岡県大野城市牛頸の成果を用いて検討を加えてみた。また、九州と近畿の考古磁気の比較から、両者に幾分かの差があった可能性も指摘されるようになってきている。
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