1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05835019
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Research Institution | National Museum of Japanese History |
Principal Investigator |
田口 勇 国立歴史民俗博物館, 情報資料研究部, 教授 (50192159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 努 国立歴史民俗博物館, 情報資料研究部, 助手 (50205663)
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Keywords | 古代刀 / 製鉄原料 / 製鉄技術 / 鍛造技術 / 自然科学的研究 / 蕨手刀 |
Research Abstract |
1)古代刀の調査 日本の代表的な古代刀である蕨手刀について,前年度の宮城県と岩手県にひきつづき,東北地方全県の調査を実施した。さらに長野県,北海道などの調査も行った。現地で発掘時期,同場所,形状,寸法,保存状態などを調査し,さらに可能である場合には以下の自然科学的研究を実施した。 2)古代刀の自然科学的研究 古代刀の研究方法は確立されていなかったので,微量元素分析方法としてグロー放電質量分析方法と化学分析方法を,ミクロ観察方法としてX線マイクロアナライザー付き走査型電子顕微鏡法を研究し,さらに新たに鉄資料を対象とした鉛同位体質量分析法を開発し,適用した。この方法は青銅器の産地推定法に使用されている方法を,鉄資料に適用するものであるが,鉄資料中の鉛含有率は10ppm以下で少なく,これまでは分析技術上から困難とされてきた。本研究においては,乾式の新鉛同位体質量分析法を開発し,分析を可能にした。この鉄資料の鉛同位体分析法については,平成6年4月に,中国三門峡市で開催された国際治金史会議(BUMA-3)で発表した。 3)古代刀の製造技術の再現実験 前年度に実施した蕨手刀の再現実験の解析を実施するとともに,得た資料と原料とした餅鉄を分析した。X線マイクロアナライザー付き走査型電子顕微鏡法とグロー放電質量分析法によれば,一般的な古代刀のように砂鉄使用ではなく,通常の鉄鉱石使用であること,餅鉄の純度は高いことなどの結果を得た。また,餅鉄は比較的低い温度で還元されて鉄になり,生成した鉄の炭素含有率は砂鉄原料の場合に比較して低いことなどもわかった。
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Research Products
(1 results)