1993 Fiscal Year Annual Research Report
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05837011
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
土井 健史 大阪大学, 薬学部, 助教授 (00211409)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮下 和之 大阪大学, 薬学部, 助手 (10166168)
今西 武 大阪大学, 薬学部, 教授 (40028866)
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Keywords | スカベンジャー受容体 / コラーゲン構造 / リジンクラスター / アポ蛋白質B100 / ペプチド合成 |
Research Abstract |
スカベンジャー受容体のリガンド結合領域は、コラーゲン様ドメインのC末端側20アミノ酸領域に存在することを以前の研究により明らかにしていたが、今回さらに詳しい検討を行った。すなわち、この領域の種々のアミノ酸を変換した点変異体を作成し、これらのリガンド結合能を調べた。(放射性同位元素により標識されたリガンドを使用し、培養細胞に発現された受容体の活性を測定した。)その結果、この領域に存在するリジン残基のクラスターがリガンド結合に必須であること、またクラスターの中心にある337番目のリジン残基が特に重要であることを突き止めた。そこで、コラーゲン構造のX線結晶構造解析座標を基に、この領域のコンピューターグラフィクスによる構造モデリングを行った。その結果、リガンド結合ドメインのリジン残基のクラスター部分は、337番目のリジン残基を中心に上下両側に溝が形成され、リガンドがこの溝に沿ってリジン残基と相互作用しながら巻つくような形で入り込むことが予想された。相互作用するリガンドとして、構造が明らかな核酸を用いこのモデルを検証したところ、ポリグアノシンが、ポリアデノシンやポリピリミジンに比べ高い親和性を示すことを、この構造モデルは矛盾なく説明できることがわかった。そこで、本来のリガンドであるアポ蛋白質B100について、受容体と相互作用できるアミノ酸配列を明らかにすることを試みた。リガンド結合領域と相互作用が可能な構造を持つことができるアミノ酸配列をアポ蛋白質B100の配列の中から検索したところ、プロリン残基を多く含んだ配列がいくつかみられた。そこで、これらの配列を有するペプチドを合成した。現在、長さ30から40よりなる6種類のペプチドの合成が終了し、近い将来リガンド結合疎外活性の測定を行う予定である。また、これらのペプチドをアセチル化などの修飾を施し、同様の活性測定を行う予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 土井健史: "マクロファージとスカベンジャーレセプター" Molecular Medicine. 30. 342-352 (1993)
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[Publications] 児玉龍彦: "スカベンジャー受容体とマクロファージの異物,老廃物処理機能" Medical Immunology. 26. 29-34 (1993)
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[Publications] Toshiki Tanaka: "A synthetic model of collagen structure taken from bovine macrophage scavenger receptor" FEBS Letters. 334. 272-276 (1993)
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[Publications] 川嵜敏祐(編集): "受容体タンパク質II" 廣川書店, 459 (1993)