1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05851006
|
Research Institution | Osaka University of Arts |
Principal Investigator |
大橋 勝 大阪芸術大学, 芸術学部, 助手 (90213834)
|
Keywords | 視覚リズム / 時間造形 / 観客の関与性 / 光と影 / 色彩 / 空間構成 / ビデオインスタレーション / 情報ネットワーク |
Research Abstract |
現代のエレクトロニクスや情報のネットワーク化に直結した表現形態としての電子映像を取り上げ、その時間的・空間的造形性の特性を明らかにしつつ、効果・可能性について実験制作を通して研究を行った。実験制作は主に大阪芸術大学9号館スタジオを利用し、ビデオメディアを中心にコンピュータグラフィックスや写真・カラーコピーなどを用いた。 これらの作業を通して、映像の知覚リズムの性格-光と影、色彩の時間的・空間的分布-と、観客の関与性が問題点として表出されてきた。そして、最終的にビデオインスタレーションの形態の実験作品を構成し、展覧会形式で公開した。 実験作品は20台のTVモニターと3台のVTR、2枚の写真(15×180cm)と画廊空間で構成されている。道路に面して20台のTVモニターを横5台縦4台に積上げて、幅3m高さ1,9mのTVモニターの塀を建てる。VTRから3種類の映像を送出し、モニター上に交互に配列して映し出す。3つの映像はそれぞれ90度づつ色相の差があり、21分で1周する構成になっている。人が知覚する変化と停止を、ビデオの機械的構造と映像信号の成り立ちに重ね合わせた。 このようにして実験作品を公開し、見てくれた人の意見・感想を取材したが、作り手の意図とは異なるところで関心を持たれたり、評価や批判を受けることがむしろ多くあったと思う。これらを考察の手掛かりとして、電子映像による造形表現という課題を論としてまとめていった。
|