1993 Fiscal Year Annual Research Report
リバースフローインジェクション法による金属錯化容量の研究
Project/Area Number |
05854070
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
板橋 英之 群馬大学, 工学部, 助手 (40232384)
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Keywords | リバースフローインジェクション法 / 金属錯化容量 / 天然水 |
Research Abstract |
2,9-ジメチル-1,10-フェナントロリン(ネオクプロイン)共存下、鉄(II)による銅(II)の還元反応がアミノポリカルボン酸などの各種錯形成剤の添加によって促進されることを利用したリバースフローインジェクション法による各種錯形成剤の定量法を開発し、金属錯化容量の測定法へと応用した。本法の有用性を確認するために、河川水試料を対象に測定し、その結果を従来法によって求めた値と比較した。その結果、本法の値と従来法の値の間には正の相関が認められ本法の有用性が示唆された。この研究成果は論文としてTalantaに発表した(Talanta,40,101(1993)). 金属錯化容量の基礎的検討として、副反応係数を利用した天然水の銅(II)のスペシエーションの方法を開発し、河川水に応用した。その結果試料中の銅(II)は共存する配位子によりほとんど錯化されていることが判明した。この研究成果は日本分析化学会第42年会において発表した。 3-メルカプト-1,5-ジフェニルホルマザンによる銅(II)の溶媒抽出の速度論的な研究を基に、銅(II)錯化容量と生成する銅(II)錯体の反応活性度とを同時に求めることができる測定法を開発した。本法を河川水試料に応用したところ、数種類の反応活性度の異なる配位子が溶存していることが明きらかとなった。本研究の成果は日本化学会第67春季年会において発表予定である。なお現在、本原理を利用したリバースフローインジェクション法による金属錯化容量の測定法及び金属錯体の反応活性度の測定法について検討中である。
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