1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05855014
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松室 昭仁 名古屋大学, 工学部, 助手 (80173889)
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Keywords | 準結晶材料 / 超高圧力焼結 / 機械的性質 / 複合材料 / 超潤滑 / 微小領域摩擦試験機 |
Research Abstract |
高機能性が期待される凖結晶材料の機械的性質を評価するため,メカニカルアロイング法で作製されたMg_<50>Al_<15>Zn_<35>,Mg_<45>Al_<15>Zn_<40>およびMg_<39.5>Al_<37.5>Zn_<23>凖結晶粉末を5.4Gpaの超高圧固化成形によりバルク体を作製する条件を検討し,ビッカース硬度,圧縮試験により機械的性質を評価した.得られた結果は以下の通りである. (1)準結晶単相の成形体を,圧力5.4Gpa,成形時間4時間のもとMg_<45>Al_<15>Zn_<40>系では450℃,Mg_<50>Al_<15>Zn_<35>系およびMg_<39.5>Al_<37.5>Zn_<23>系では250℃で緻密な固化成形を作製することができた. (2)得られた機械的性質は,常圧平衡相で得られる結晶相と比較するといずれの組成でも数十%向上した.これは準結晶特有の原子構造が反映されており,高強度材料としての有望性が示唆された. また,延性を改善し機械加工性を高めるために,Mg_<45>Al_<15>Zn_<40>準結晶相に結晶相のMgを複合した場合の性質の変化および超潤滑特性が期待できる摩擦特性についてさらに検討を加えた. (3)脆性的なMg_<45>Al_<15>Zn_<40>準結晶に延性を付加する方法としてMg結晶相との複合化は有効な手段であった.その際に超高圧力による処理を用いることによって二相を保ったまま緻密な成形体を得ることが可能であった. (4)Mgに対してMg_<45>Al_<15>Zn_<40>準結晶を複合化させ,延性が顕著に現れ,加工性が改善できることがわかった. (5)従来にない微小な領域で固体の摩擦係数を測定することのできる摩擦試験機を考案・作製し,光てこの原理を用いた摩擦試験機が原理・実験の両面において計測可能であった.準結晶材料を測定した結果,結晶材料と比較して1/5程度の摩擦係数であることがわかった.
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Research Products
(1 results)