1993 Fiscal Year Annual Research Report
オゾンを用いた熱交換器の防汚技術に関する研究(オゾン濃度の研究について)
Project/Area Number |
05855032
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
池上 康之 佐賀大学, 理工学部 (80232172)
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Keywords | 熱交換器 / 防汚技術 / オゾン / 環境問題 / スライム / ゾネーション |
Research Abstract |
熱交換器の防汚技術として、これまで種々の方法が開発されているが、効果およびコストの面で塩素注入によるクロリネーションが最も広く用いられている。しかし、近年残留塩素および副二次的な発ガン物質の生成など、環境への影響が懸念されている。そこで、本研究は、クロリネーションに替わる新しい防汚技術として、環境にやさしく、防汚効果の高いオゾンを用いた防汚技術を確立しようとするものである。実験は、平成3年度から開始し、これまで(a)1日5分間の間欠オゾネーションの防汚効果およびその有効性の実証、(b)オゾンによる防汚効果のメカニズムについて検討を行っている。実験で用いた熱交換器は、高性能化を目的として発電プラントおよびヒートポンプなどへの適用が近年検討されているプレート式熱交換器(材料:チタン、総伝熱面積:0.8m^2)である。平成5年度は、種々のオゾン濃度および流速での実験を行い、防汚効果に影響を及ぼすパラメータを抽出し、最適オゾン濃度の決定について明らかにすることを目的として研究を遂行し、以下のことが明らかとなった。 (1)熱交換器内の海水の平均流速が遅いほど、注入オゾン濃度を高くしないと十分な防汚効果は得られない。これは、熱交換器内平均流速が遅いほど、伝熱面にスライムなどの生物皮膜が形成しやすく、オゾン注入中においてもこの生物皮膜が剥離しにくいためである。 (3)熱交換器内平均流速が0.5m/sの場合は、オゾン濃度が1ppm以上、0.3m/sの場合は4ppm以上であれば十分な防汚効果が得られる。 (3)実用化にあたっては、今後広い流速範囲およびオゾン濃度で実験を行い、流速と最適オゾン濃度との関係を明らかにし最適運転条件を決定する必要がある。
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[Publications] 池上,康之: "熱交換器防汚技術の新しい展開" 配管技術. 5. 56-63 (1993)
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[Publications] 常富,英雄: "池のオゾン簡易浄化システム" 日本オゾン協会第3回年次研究講演会講演集. 34-37 (1994)
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[Publications] 池上,康之: "オゾンを用いた取水管の防汚技術に関する研究" 日本オゾン協会第3回年次研究講演会講演集. 38-41 (1994)
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[Publications] 池上,康之: "オゾンを用いた海水および淡水の水処理に関する研究" 「環境用水の浄化および水処理の高度技術」講演論文集. (1994)