1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05855046
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Technology |
Principal Investigator |
池井 寧 東京都立科学技術大学, 講師 (00202870)
|
Keywords | 触覚ディスプレイ / 人工現実感 / 振動刺激 / テクスチャ表現 / ピエゾ素子 / 仮想物体 / 振動継続時間 / 表示分解能 |
Research Abstract |
本研究では、触覚ディスプレイを開発するにあたり、(1)振動を発生するアクチュエータ、(2)振動の表示面の構成法、(3)ディスプレイの駆動ソフトウェアの3点について考察している。本年度の結果は次の通りである。 (1)に関しては、振動刺激を発生するための微小なアクチュエータの設計改良を行った。具体的には、単結晶シリコンによって製作しつつある流体駆動形マイクロアクチュエータのサイズを縮小化し、細部構造の最適化や加工精度を向上する設計とその試作を行った。この試作は外部発注で行っているが、加工のプロセスが遅延したため、近日中に完成予定となっており、実験データはまだ得られていない。 (2)に関しては、触覚ディスプレイの第2のプロトタイプを試作した。昨年度は、第1のプロトタイプとして、ピエゾアクチュエータの振動振幅を単一の梁で拡大する機構を試作した。このプロトタイプの表示画素密度を4倍に向上することを目標として、梁による増幅の機構を2つ直列に連結した2段増幅機構を有する第2のプロトタイプを、ステンレスのエッチング加工により製作した。この、プロトタイプも、現在、組み立て段階にある。 (3)に関しては、第1プロトタイプを使用して、実験的に駆動アルゴリズムを開発している。具体的には、振動刺激を発生する際の時間的な条件として、振動刺激の継続時間を調査し、最適な継続時間を求めた。更に本プロトタイプによって表現可能な最大密度(表示分解能)を調べる実験を行い、表示対象としてのテクスチャの空間周波数や、その形状による影響を明らかにした。
|
-
[Publications] 池井 寧,池野晃久,福田収一: "振動形触覚ディスプレイの開発" 日本機械学会 第3回設計工学・システム部門講演論文集. 289-291 (1993)
-
[Publications] 池井 寧,池野晃久,福田収一: "振動形触覚ディスプレイの開発(第2報 表示パタンの検討)" 日本機械学会 第71期全国大会講演論文集. Vol.F. 348-350 (1993)
-
[Publications] 池井 寧,池野晃久,福田収一: "振動形触覚ディスプレイの開発(第3報 なぞり運動に同期した表示法の検討)" 情報処理学会 第48回全国大会講演論文集. Vol.2. (1994)
-
[Publications] 池井 寧,毛利之重,石丸哲夫,福田収一: "触覚ディスプレイ駆動機構の設計" 日本機械学会 第71期通常総会論文集. (1994)
-
[Publications] 池井 寧,古賀章浩,森川 恒,福田収一: "マイクロアクチュエータの開発研究" 東京都立科学技術大学紀要. Vol.7. 147-153 (1993)
-
[Publications] 池井 寧,山崎一夫,福田収一: "マイクロシステムの運動制御に関する研究" 日本機械学会 第71期全国大会講演論文集. Vol.F. 314-315 (1993)