1993 Fiscal Year Annual Research Report
二酸化炭素固定化反応による新しい機能性多糖材料の創出
Project/Area Number |
05855140
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
門川 淳一 山形大学, 工学部, 助手 (30241722)
|
Keywords | 二酸化炭素固定 / 天然多糖 / 2糖類 / オリゴ糖 / ポリウレア / 縮合剤 |
Research Abstract |
1.天然多糖であるキトサンを化学的(酸性条件下)に分解する際の条件を様々に検討し、効率的に2糖が得られる条件を確立した。さらに、カラムクロマトグラフィーを用いることなく溶解度の差だけで他の生成物との分離ができることを見いだした。その結果、34%という比較的高収率で2糖が単離できた。この方法を応用すれば、3〜6糖程度のオリゴ糖の単離も可能であると思われる。 2.得られた2糖と二酸化炭素の重縮合を様々に検討した。その結果、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)を縮合剤に用いることで速やかに重合が進行することを見いだした。 3.生成ポリマーの構造をNMRおよびIRにより解析したところ選択的に2糖のアミノ基のみが反応しポリウレアが得られたことが確認された。また、ゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)による分子量測定を可能にするために生成ポリマーのアセチル化を行った。この反応での生成物の構造もNMRおよびIRにより解析し定量的にアセチル化が進行したことを確認した。そこでアセチル化されたポリマーの分子量をGPCにより決定した。その結果、共触媒としての塩基を変えることで分子量が変化することが分かった。すなわち、トリエチルアミンやピリジンを用いた場合分子量は数千(最高で7700)であったが、さらに強い塩基である1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]-7-ウンデセン(DBU)を用いたところ分子量は12000に増加した。 4.今後、得られたポリマーの機能化について検討する予定である。
|