1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05856034
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 計介 東北大学, 農学部, 助手 (80240662)
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Keywords | マガキ / 血球(血リンパ細胞) / 活性酸素 / スーパーオキシドアニオン / ESR / 化学発光 |
Research Abstract |
1 感度と特異性にすぐれたアクリジニウムエステルによる化学発光法を用いて,マガキ血球(血リンパ細胞)の生成する活性酸素の分析を行ったところ,ホルボールの刺激によって,明確な生成が認められた。アクリジニウムの特異性とこの活性酸素分子による発光が,SODの添加によって押えられることなどから,生成されたのはスーパーオキシドアニオン(O_2)であると推定された。このことは,シトクロムcの還元による分光学的方法でも同様の推定を得た。 2 マガキ血球でも生成が明らかにされた活性酸素分子種を同定するため,DMPOをスピントラップ剤とするESRスピントラップ法を行った。その結果、スーパーオキシドアニオンに特異的なシグナルを捉えることができた。以上のことから,マガキ血球でも哺乳類など高等動物と同様に,膜刺激によって分子状酸素の一電子還元が起き,スーパーオキシドアニオンが生成されると考えられた。 3 パーコール密度勾配遠心法によって,マガキ血球のサブポピュレーションの分取を試み,それぞれの細胞群での活性酸素生成能を検討した。細胞群を完全に分離することはできなかったが,大きく3つの細胞群(顆粒錠1,2と無顆粒球)に分かれることを明らかにした。それぞれの細胞群について,生成をみたところ,顆粒球1が特異的に高い生成能を示し,細胞間で機能に差がある可能性を示唆した。
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