1993 Fiscal Year Annual Research Report
サケ鱗相画像解析による自動年齢計測へのニューロ・コンピューティングの応用
Project/Area Number |
05856035
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
林崎 健一 北里大学, 水産学部, 助手 (80208636)
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Keywords | ニューラルネット / バックプロパゲーション / シロザケ / 鱗 / 年齢査定 / 画像解析 / Perceptron / 年輪 |
Research Abstract |
シロザケの鱗の輪紋パターンから、年齢の読み取りを自動化するための基礎的ソフトウェアの開発を行った。当該研究年における開発目標は次の3点であった。(1)画像取り込み手法の検討(2)年齢帯の抽出とニューラルネットへの入力フォーマット(3)ニューラルネットの学習能力の評価。 (1)写真のイメージスキャナによる入力、生物顕微鏡および実体顕微鏡からCCDカメラでの取り込みを試みた。写真を用いると任意の解像度の画像を得ることができるが、実用的でない。鱗のプレパラートには、焦点深度の深い実体顕微鏡とフィルターとの組み合わせで比較的良好な画像が得られた。しかし、対象物の大きさと、構造の複雑さに対して、CCDカメラの解像度が制限要因となった。 (2)当初、コンピュータに取り込んだ画像を用いて、鱗の焦点から計測軸を設定し、その軸上の色濃度のプロファイルを入力として用いることとしたが、年齢帯の位置が明確にならなかった。そのため、原画像から年齢帯を強調する手法として、ぼかし法を開発した。本手法を適用したのちのプロファイルを単純な変換を施したものをニューラルネットへの入力とした。 (3)3層のPerceptron型ネットワークと逆誤差伝搬学習法を用いてニューラルネットの学習能力の評価を行った。2から5歳魚の各2ないし3個体の鱗から得られたデータ11件を入力とした。ネットワークパラメタの与えかたにもよるが、300回程度の学習で誤差は収束し、学習済のデータに対しては100%の認識率を得た。 今後、さらに学習後のネットワークの解析による判別メカニズムの把握と、未学習データの認識率の検討を行う必要がある。
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