1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05856056
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
古瀬 充宏 名古屋大学, 農学部, 助手 (30209176)
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Keywords | 鳥類ガストリン / アミノ酸 / 中鎖トリグリセリド / アスパルテ-ム / メチオニン / ガストリン放出ペプチド |
Research Abstract |
鳥類ガストリンのカルボキシル末端のアミノ酸構造は、哺乳動物のガストリンの構造よりむしろコレシストキニンに類似しているが、ホルモンとしての作用はガストリン様であり胃酸の分泌を促す。しかしながら鳥類ガストリンの分泌が如何なる機構により調節されているのかは不明であった。本研究では次の条件で以下に述べることを明らかにした。孵化後1週間以内のニワトリヒナを実験に供試し、血漿ガストリン濃度は、鳥類ガストリンの特異抗体L293を用い、RIAにより測定した。まず絶食により血漿中のガストリン濃度は素早く低下するが、組織中のガストリン濃度の低下には時間を要した。次いで胃酸による影響を調査したところ、胃酸はガストリンの放出を抑制することが明きらかとなった。アミノ酸によるガストリンの分泌刺激を見るために、必須アミノ酸であるArg、Met、Phe、Lys、His、Trp、Ile、Leu、Val及びThrの各30mM溶液を作製した。対照には生理的食塩水を用い、各溶液1mLをそ嚢内に投与した15分後に断頭し血液を得た。その結果、Metがガストリンの放出を促すことが判明した。その作用がガストリン放出ペプチド(GRP)の分泌を介して起こったのかをGRPの拮抗薬を用いて検討したところ、GRP拮抗薬の効果は認められずMetは直接ガストリンの放出を促すことが判明した。他にジペプチドのアスパルテ-ムを投与し、ペプチドがガストリン分泌に及ぼす影響についても調査したが、放出刺激はなかった。脂肪によるガストリンの分泌刺激を見るために2種類の脂肪を用いた。1つは炭素鎖数が8の脂肪酸からなる中鎖トリグリセリド(MCT)で、もう1つは長鎖の脂肪酸から構成されるサンフラワー油(LCT)であった。MCTにはLCTに比して強いガストリン放出刺激があることが判明した。
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Research Products
(1 results)