1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05857052
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
神田 芳郎 久留米大学, 医学部・法医学, 助手 (90231307)
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Keywords | 糖転移酵素 / Lewisフコシルトランスフェラーゼ / 血液型 / Lewis陰性遺伝子 |
Research Abstract |
分泌液や消化管粘膜で、ABO血液型の発現を決定する分泌型遺伝子(Se gene)をクローニングする予定で、胃粘膜よりcDNAを合成しExpression cloningを進行中であるが、いまだ目的の遺伝子は単離できていない。しかしながら、今回集めた胃粘膜4例のうち2例が、ABO血液型と関連したLewis血液型陰性個体のものであった。Lewis遺伝子によってコードされているalpha(1,3/1,4)fucosyltransferase[(3/4)FT]はすでに単離されているが、約10%の割合で存在するLewis陰性遺伝子は、それまで報告されていなかった。Northernblot解析より、Lewis陰性個体も本遺伝子を発現していること確認したので、Lewis陽性ならびに陰性個体からPolymerase chain reaction法を用いて(3/4)FT遺伝子の蛋白翻訳部位のcDNAをクローニングしシークエンスした。その結果1例のLewis陰性cDNAは開始コドンのAから59番目のTがGに、508番目のGがAに置換していることがわかった。そこでこのcDNAを真核細胞発現ベクターpCDM8に組み込み、(3/4)FT cDNAをtransfectするとLewis抗原を新たに発現することがすでに調べられているCOS細胞に発現させLewis抗原の発現を調べたところLewis陰性個体のcDNAをCOS細胞にtransfectしてもLewis抗原は発現しなかった。そこで、59番目と508番目どちらの塩基置換でLewis抗原の発現ができなくなったのかを調べるために59番目のみの塩基置換と508番目のみの塩基置換をもつキメラcDNAを作成しCOS細胞にtransfectしたところ508番目のみの塩基置換をもつcDNAだけがLewis抗原を発現できなかった。以上のことから、508番目のGからAへの置換が、Lewis陰性遺伝子の本体であることが示唆された。現在59番目と508番目の塩基置換の頻度や508番目の塩基置換以外のLewis陰性遺伝子を研究中である。
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Research Products
(1 results)