1993 Fiscal Year Annual Research Report
p53欠損白血病細胞株の異常部位の解析とp53導入により誘導される遺伝子の単離
Project/Area Number |
05857115
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
古川 雄祐 自治医科大学, 医学部, 講師 (00199431)
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Keywords | p53 / 癌抑制遺伝子 / 白血病細胞 / Splicing mutation / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
造血器腫瘍の発生における癌抑制遺伝子p53の役割につき、当教室にて樹立した白血病細胞株JOSK-Mを用いて検討した。予備的実験においてJOSK-Mではp53のmRNA発現がみられないことがわかったため、以下のような検討を行った。 (1)p53異常部位についての検討:p53mRNA欠損の原因につき検索した。Southern blotでは異常は認められず、DNA再構成が原因とは考えられなかった。次に点突然変異の有無につきPCR-SSCP法を用いて解析した。Exon5から6にかけて増幅した断片で泳動度の異常が認められたため、同部位をSanger法による直接塩基配列決定にかけたところ、exon5/intron5のsplice junctionにおける突然変異(C to T)が検出された。この異常によりSplicingに欠陥が生じ、mRNAの欠損がおこると考えられた。しかし株化以前の新鮮細胞においてはこの異常は認められず、p53の欠損が細胞の株化に何らかの役割を果している可能性が推定された。 (2)正常p53遺伝子導入による細胞の形質変化:正常p53遺伝子を発現promoter(hMT-II)と共にplasmid(pcDNA3)に組込んでJOSK-M細胞に導入、正常p53を発現させた時の細胞の増殖動態の変化につき検討する予定で、現在発現vectorの作成を行なっている。
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