1993 Fiscal Year Annual Research Report
体性感覚誘発電位(SEP)を用いた歯科用局所麻酔薬投与の基礎および臨床的研究
Project/Area Number |
05857234
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
山口 秀紀 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (50220273)
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Keywords | 局所麻酔薬 / 体性感覚誘発電位 |
Research Abstract |
《実験方法》本研究の趣旨を説明し同意の得られた、年齢18歳から24歳までの健康成人12名を対象とした。使用局所麻酔薬として、歯科臨床で汎用される(1)1/8万エピネフリン含有2%リドカイン(以下EL-1/8)、(2)1/20万エピネフリン含有2%リドカイン(以下EL-1/20)、(3)0.03%フェリプレッシン含有3%プロピトカイン(以下EP)の3種類を使用した。局所麻酔薬は上顎中切歯歯肉頬移行部より0.5mlを22G針を用い傍骨膜注射法で注入した。刺激方法は上顎中切歯に円盤電極を装着し0.1ms単発電気刺激を1回/1sec与えた。測定は脳の内的活動や心理過程に関連して変動するSEPの後期成分のうち約150msの陰性波をN1、約250msの陽性波をP2とし、N1-P2の振幅をA成分として測定し、痛み感覚の客観的評価とした。 《結果》SEPのA成分は、全局所麻酔薬群で麻酔前に比べ局所麻酔注入2分後には減少し、5分後には3群でA成分の消失がみられた。EL-1/8およびEL-1/20では60分後でもA成分は消失していた。しかし、FPは60分後にはA成分が回復し始めた。 各群の局所麻酔薬注入前のA成分の値を100としたA成分の経時的変化は、EL-1/8の各時間の値を対照とした場合、EL-1/20では局所麻酔注入後100分後まで有意な差はみられなかった。しかしFPでは注入40分後から85分後まで有意な差がみられた。(p<0.05)。このことから、EL-1/8はFPと比較し有意に麻酔効果及び効果時間が延長するが、EL-1/20との間には麻酔効果および効果時間に有意の差がみられないものと思われた。
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