1993 Fiscal Year Annual Research Report
新しい高感度測定法を用いたサケ・カルシトニンの血中動態解析法の開発
Project/Area Number |
05857262
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
河野 武幸 摂南大学, 薬学部, 講師 (50178224)
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Keywords | カルシトニン / 酵素免疫測定法 / 骨粗鬆症 / バイオアベイラビリティー |
Research Abstract |
独自の方法によるサケ・カルシトニン(SCT)の高感度酵素免疫測定法を開発し、ラットにおける経鼻SCTの血中動態を明らかにしたので報告する(論文投稿準備中)。 1 SCTのN端近傍(アミノ酸番号1-7)およびC端近傍(同 19-32)のペプチドを合成しキャリアー蛋白質と結合させた抗原コンジュゲートを調製した。2点結合酵素免疫測定法に必要な2つの抗体を得るため、これらの抗原コンジュゲートで家兎およびSPF家兎を免疫した。後者の抗原コンジュゲートでは良好な抗体が得られたが、前者では得られなかった。このため、低分子抗原を高感度で測定するために独自で開発した方法(ヘテロ2点結合酵素免疫測定法、1つの抗体でも2点結合による測定が可能である)による新しい測定法を開発した。 2 新しい方法の測定感度は2pg/mlであり、従来法(放射免疫測定法)と比べ10倍の高感度測定が可能となった。変動係数も10%前後であり良好であった。次に、ラットにSCTを皮下または経鼻投与し、血中動態を解析した。皮下投与群(5および20U/kg)のAUCはそれぞれ89および550pg・h/mlであった。また、経鼻投与群(1.25および5U1ラット)では、それぞれ21および89であり、生物学的利用率は皮下投与の5分の1であった。これらの結果は、従来法では知り得ない事であり、ヒトでの臨床試験の立案に重要な示唆を与えると予想される。 3 SCTを長期間投与すると、産生される抗体による薬理効果の低下が考えられる。従って、治療計画の立案には、抗体の影響を考慮しなければならず、抗SCT抗体も測定する必要がある。治療の対象となる骨粗鬆症患者は、一般に高齢であり非侵襲的検査方法が望まれる。このため尿を試料とした抗体の測定方法を開発した。今回は、抗サイログロブリン抗体をモデルとしたが、今後、これを抗SCT抗体測定に応用する予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yogi,Y.et al: "Measurement of anti-thyroglobulin IgG in urine of patients with autoimmune thyroid diseases by sensitive enzyme immunoassay (immune complex transfer Enzyme immunoassay)" Journal of Clinical Laboratory Analysis. 7. 70-79 (1993)
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[Publications] Yogi,Y.et al: "Immune complex transfer enzyme immunoassay for anti-thyroglobulin IgG using 2,4-dinitro-phenyl thyroglobulin,biotinyl thyroglobulin and streptavidin-beta-O-galactosidase conjugate" Analytical Letters. 26. 2143-2159 (1993)
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[Publications] Ishikawa,E.et al: "Principle and applications of ultrasensitive enzyme immunoassay (immune complex transfer enzyme immunoassay)for antibodies in body fluids" Journal of Clinaical Laboratory Analysis. 7. 376-393 (1993)