1993 Fiscal Year Annual Research Report
細菌内毒素の機能性部位・リピドAをリ-ド化合物とする新規医薬品の開発研究
Project/Area Number |
05857266
|
Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
池田 潔 静岡県立大学, 薬学部, 講師 (40168125)
|
Keywords | D-グルコサミン-4-リン酸誘導体 / L-セリン誘導体 / リピドA / N-アシル-L-セリン誘導体 / 内毒素活性 / マイドジエン活性 / リポアミノ酸 / 機能性ドメイン構造 |
Research Abstract |
内毒素の本体として多彩な生物活性を示すリピドAは、構造上D-グルコサミン-beta(1→6)-ジサッカライドの1,4′位にリン酸が結合したものである。我々は既にリピドA構成最少単位糖であるD-グルコサミン-4-リン酸誘導体を基本骨格とする各種誘導体を合成し、その生物活性を報告してきた。最近、リピドAの部分構造に類似したリポアミノ酸が、マクロファージ活性化作用等を示すことが報告された。そこで整理活性物質であるリピドA誘導体の合成研究の一環として、今回我々は、本助成金を得てリピドAの還元糖部分をD-グルコサミンと構造等価と考えられるL-セリン誘導体で置換し、リピドAのジサッカライド骨格を模擬したD-グルコサミン-4-リン酸誘導体(la-c)の合成に成功し、その生物活性について興味ある知見を得ることが出来た。すなわち、糖脂質部分のD-グルコサミン塩酸塩から5ステップで得られるジオール体を出発物質としてジベンジル化、脱アリル化そしてブロム化した後、coupling反応でbeta-グリコシド体を得た。さらに脱保護し、最終物である二種類の化合物(la,b)を合成した。次にD-グルコサミン-4-リン酸を含むリピドA誘導体(lc)の合成は、ジオール体から選択的なBOM化、リン酸化、1位の脱保護さらにブロム化を行った。先と同様にcoupling反応を行い、脱保護しさらに脂肪酸を導入して目的物であるlcの合成に成功した。次に得られたリピドA誘導体(la-c)について、マイトゲン活性および致死毒性の測定を行った。その結果laおよびlcともに母核のD-グルコサミン-4-リン酸と比較してその活性の増強は認められず、リン酸基を含むlcは低濃度で多少毒性を有することが分かった。しかし興味あることにlbは基本骨格と比較して2倍近くのマイドゲン活性の増強が認められた。
|
-
[Publications] Takeshi Sano: "An Efficient Synthesis of D-Galactosamine-4-phosphate Analogs of Lipid A via a Novel Key Intermediate" Chem.Pharm.Bull.41. 1465-1468 (1993)
-
[Publications] Kiyoshi Ikeda: "Synthesis of Biologically Active N-Acylated L-Serine-containing D-Glucosamine-4-phosphate Derivatives" Chem.Pharm.Bull.41. 1879-1881 (1993)
-
[Publications] Tadayori Shimizu: "Low Mitogenic Activity of Synthetic Lipid A Analog,2,3-Acyloxy-acylgalactosamine-4-phosphate,in culutured Murine Splenocytes" Biol.Pharm.Bull.16. 201-202 (1993)