1993 Fiscal Year Annual Research Report
全身的持久性運動が高次精神機能に及ぼす影響について
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05858022
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Research Institution | Seinan Jo Gakuin University Junior College |
Principal Investigator |
八木 康夫 西南女学院短期大学, 助教授 (80200476)
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Keywords | 事象関連電位P-300 / 全身持久性運動 / 反応時間 |
Research Abstract |
本研究は、注意や識別、判断といった認知過程が、全身持久性運動中にいかなる変化を生じるのか検討することを目的とした。認知過程の生理的指標として、選択反応課題により脳波から誘発される自象関連電位P-300を用いた。その課題は、目標刺激(20%)と非標的刺激(80%)からなり、目標刺激に対しKey-press反応を行うもので、安静時と自転車運動時、回復期にわたり行われた。被験者は健常な17〜18才の女性で、脳波は両耳朶連結を不関電極としてCzより導出した。解析はoff-lineでおこない、目標刺激を基準に46回の加算平均をした自象関連電位P-300成分の濳時と振幅を測定した。その結果、安静時に比較し、運動負荷中そして負荷の増加に伴い、P-300の振幅は小さくなり、潜時および反応時間も遅延した。回復期では、P-300の潜時および振幅は時間経過に伴い安静時の値に回復してゆき、ほとんどの被験者で10分以上の時間をそれに要していた。自転車運動中、P-300の潜時が反応時間の変動に伴う変化を示したことから、P-300の潜時及び振幅の変化はdistractionの影響が考えられた。しかし、回復期の反応時間が安定していることから、P-300振幅の変化は代謝性の影響も受けていることが示唆された。中枢の興奮性の変化のメカニズムについては、呼吸との関連性を示唆する報告もあり、distractionと代謝、呼吸との関連から検討した。また、P-300波形は単一の試行にも出現していることが実験の経過の中でわかり、現在、単一試行のP-300波形を測定し、その課題遂行中の変化や運動負荷に伴う変化、選択反応課題の刺激の呈示パターンとの関連について詳細に検討中である。
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