1993 Fiscal Year Annual Research Report
繊毛虫テトラヒメナのカルシウム結合蛋白質に関する研究
Project/Area Number |
05858101
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
武政 徹 日本医科大学, 医学部, 助手 (50236501)
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Keywords | テトラヒメナ / Ca結合蛋白質 / カルモデュリン / cDNAクローニング / TCBP-23 / TCBP-25 / 発現ベクター / ポリクローナル抗体 |
Research Abstract |
繊毛虫テトラヒメナには真核生物に広く存在するカルモデュリン以外に、二種類のEF-hand型Ca結合蛋白質が存在することが、cDNAクローニングより初めて明らかにされた。この2種類の蛋白質、即ちTCBP-23とTCBP-25は互いにはよく似ているが、既存のどのEF-hand型Ca結合蛋白質とも異なる構造を持つ非常にユニークな蛋白質であることが分かった。しかしこれら蛋白質の細胞からの精製は細胞に含まれる非常に強いプロテアーゼにより困難であり、その機能を探る細胞生化学的研究は、思うように進展がなかった。そこで今回、得られたcDNAを使って大腸菌でこれらの蛋白質を大量発現させることでこれら蛋白質の機能を探る一連の実験を計画した。二種類のcDNAは合計八カ所のグルタミンをコードするTAAやTAGのコドン(これは通常終止コドンとして認識されている)を遺伝子の内部に持っており、まずこれらをミュータンGキットでCAA(通常のグルタミンコドン)に変換した。これを発現ベクターpGEX-2Tに挿入し、グルタチオンSトランスフェラーゼとの融合蛋白質として発現させた。各々のクローンに含まれている目的の蛋白質は細菌溶解物からグルタチオンセファロース(親和性クロマトグラフィー)、フェニールセファロース(疎水性クロマトグラフィー)などにより精製を行った。精製した蛋白質はそれぞれウサギに注射し、ポリクローナル抗体を作らせた。得られた抗体はどれも特異性が高いことがイムノブロットにより確認されたので、現在テトラヒメナ内の局在を間接蛍光抗体法で調査しているところである。今後局在が明らかになり、機能が類推された後は、今回調製した抗体や、一部アミノ酸配列を改変した蛋白質(大腸菌でつくらせたもの)を細胞内に注射して、類推される機能がブロックできるかなどについても調べてゆきたい。
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