1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05858107
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
安増 茂樹 上智大学, 理工学部, 助手 (00222357)
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Keywords | 孵化酵素遺伝子 / メダカ / 遺伝子発現 / in situ hybridization |
Research Abstract |
1,ゲノム遺伝子のクローニング.drR系統のメダカDNAを用いてゲノムライブラリーを作成し、HCEまたはLCEのcDNAをプローブとしてスクリーニングを行いそれぞれのクローンを単離した。制限酵素地図を作成後、シークエンスにより構造を決定した。LCEは、8つのエクソンより成り約4kbのシングルコピー遺伝子である。一方,HCEは,イントロンのない約1kbの遺伝子である。さらに、HCEは多重遺伝子で、ゲノム上にタンデムに並んでクラスターを成していることがわかった。現在8つのHCE遺伝子がクローン化されている。また、S1マッピングとプライマー伸長法により両遺伝子の転写開始点を決定した。その結果、両遺伝子とも転写開始点の上流20-30bpにTATAボックスが存在し、LCEは、連続した3つの塩基配列、HCEは、連続した7塩基配列と、両者とも複数の転写開始点を持つことがわかつた。HCEとLCEはアミノ酸の一次構造で62%類似しており、両者ともアスタシンファミリーというプロテアーゼ群に属する。一般に、構造のよく似た同一ファミリータンパク質の遺伝子は、良く似たエクソン、イントロン構造を示すことが報告されている。HCEとLCEは全く異なった遺伝子構造を持つ稀な例であり、分子進化的にたいへん興味深い。 2,in situ hybridization(ISH).孵化腺細胞がどの細胞または組織より由来するかを調べる事を目的として孵化酵素遺伝子の発現をwhole-mount ISHまたは切片による組織化学的観察により同定した。遺伝子発現はまず、後期嚢胚期で、hypoblastの先端のごく少数の細胞で発現が観察され、1体節期では、胚体頭部前方のpolsterと呼ばれる細胞集団で発現が見られた。その後、孵化腺細胞は、胚体腹部の外胚葉の細胞層を移動し予定咽頭部である内胚葉の細胞層に移動し、口腔形成後に咽頭壁に局在する。ゼブラフィシュを用いた細胞系譜の追跡実験により孵化腺細胞は、polsterより由来することが報告されており、今回の結果は、この報告を直接に証明したこととなる。
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[Publications] K.Yamagami: "Hatchiy enzyme of medaka molecular aspects of to formation and packaging in the hatcliy glandcells" Biology International. 28. 39-45 (1993)
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[Publications] K.Yamagami: "Choriolysis by the medaka hatcliy enzyme,an enzyme system" Fish Larval Physiology and Biochemistry. 104-111 (1993)
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[Publications] K.Yamagami: "Cell and moleculer biology of the hatcliy enzyme at medaka" Fish Biology:from gene to organisn. 57-66 (1993)