2005 Fiscal Year Annual Research Report
DNAワクチン用多機能性エンベロープ型ナノ構造体の構築
Project/Area Number |
05F05169
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
原島 秀吉 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HOMHUAN ATTHACHAI 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | アジュバント / 多機能性 / リポソーム / ナノデバイス / BCG |
Research Abstract |
BCGなどの細菌成分は、特殊な構造と物理化学的性質を有しているため、水にも有機溶媒にも不溶である。しかし、これらは免疫誘導に欠かせないアジュバントとして高い利用価値を有している。従来技術では、細菌成分をある種の界面活性剤で可溶化したものを製剤として用いていた。しかし、粒子径が大きく(およそ300nm以上)負電荷を帯びているために細胞への取込効率が低いことが問題となっていた。また界面活性剤を用いるため、副作用が懸念されていた。細菌成分(BCG-CW)を用い、市販のリン脂質と有機溶媒共存下において混合・乾燥させることにより、細菌成分含有脂質薄膜を調製し、脂質膜水和法によってリポソーム化することに成功した。得られた細菌成分リポソームにエクストリューダー処理を施すことにより、粒子径の小さな(約120nm)リポソームを得ることに成功した。得られたリポソームに、ステアリル化アルギニン8重合体ペプチド(STR-R8)を添加することで、リポソーム表面にSTR-R8を修飾し、R8修飾細菌成分リポソームを得ることに成功した。R8修飾細菌成分リポソームの細胞内取込を調べたところ、非修飾リポソームと比較して著しく高い取込が観察され、細菌成分の取込効率を向上させることに成功した。平成18年度は、本リポソームに多機能性ナノデバイスを搭載し、効果的な免疫誘導システムとし機能する多機能性エンベロープ型ナノ構造体を構築する。
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