2006 Fiscal Year Annual Research Report
初期地球大気表層環境を決めた酸化還元反応の実験的研究
Project/Area Number |
05F05325
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 栄一 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PARAS BHALLA 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 地球 / マントル / マグマ / 揮発成分 / 高圧実験 / シリケイトメルト / アセノスフィア |
Research Abstract |
JSPSの外国人特別研究員として東工大にParas Bhalla氏を招聘し、高橋と共同研究を開始した。BHALLA氏はハノーバー大学でHolz教授の指導の下に、2005年2月に博士号を取得した新進気鋭の研究者である。BHALLA氏はこれまで花崗岩マグマへの揮発成分溶解度、遷移金属元素のマグマ中への溶解度に及ぼす酸素分圧とハロゲン元素の影響を実験的に研究してきた。BHALLA氏がこれまでの研究で蓄積した実験技術と学識に基づいて、東工大のピストンシリンダー型高圧発生装置を用いて揮発成分がシリケイトメルトの表面張力に及ぼす影響を調べる実験に着手した。この研究はマグマと結晶の濡れ角を急冷実験試料を用いて観察し、H20、CO2の濡れ角に与える影響を調べるためのものである。BHALLA氏はこれまでに既に10回以上の高圧実験に成功し、電子顕微鏡観察、電子線プローブマイクロアナライザー化学分析装置を用いて実験回収試料の分析に成功している。 ピストンシリンダー装置を用いて2.5-3,5GPaの圧力下でマントル物質〔カンラン岩〕のソリダスにH20、CO2が与える影響を評価し、メルトの存在形態をK20の共同と関連して解析した。この実験結果に基づき、高橋が2006年にScience誌に発表したアセノスフィア由来の火山活動(Hirano Takahahsi et al. 2006)のマグマがどのように集積上昇したかを論じた研究成果を、2007年7月にドイツのケルンで開催されるゴールドシュミット国際会議にてBhalla氏が発表する予定である。
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