2006 Fiscal Year Annual Research Report
振動に対する人間の機械的応答及び心理的応答に見る非線形特性の解明
Project/Area Number |
05F05357
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
松本 泰尚 埼玉大学, 理工学研究科, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GARDIAS Hewawasam Mummullage J.S. 埼玉大学, 理工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 振動 / 人体動特性 / 心理応答 / 非線形性 / 振動実験 |
Research Abstract |
本研究では,振動に対する人間の応答特性にみる非線形性の解明を目的としている.ここで言う非線形性とは,入力振動の大きさに依存して振動数依存性などの応答特性が変化する性質のことを指している.本研究では,振動に対する人間の応答として,人体の機械的な応答及び心理的応答としての振動不快感に着目している.本年度は,非線形性に着目した機械的応答と心理的応答との関連性に関する実験を行った.これは,昨年度実施した予備実験の結果に基づき,計画されたものである.実験は,座位被験者を用いた振動実験であり,全身振動に対する人体の機械的応答及び心理的応答を,異なる大きさの振動に対して測定した.入力振動としては人体に対する前後および左右方向の振動を用い,正弦振動の振動数および振幅を変化させ,応答の振動数依存性および振幅依存性について検討した.振動数は前後および水平方向において人体の低次の固有振動モードが励起される1.6〜10Hz,振幅は0.125〜1m/s^2r.m.s.とした.実験では,機械的応答として座面(駆動面)における動質量および機械インピーダンスを,また心理的応答としてマグニチュード推定法により不快感を測定した.その結果,動質量および不快感の振動数依存性が,振動の大きさにより変化することが確認された.また,それらの変化はある程度の対応が認められ,機械的応答と心理的応答との因果関係が示唆される結果が得られた.次年度は,被験者実験の結果に基づき,その数理モデルの構築を行い,非線形性発現のメカニズムの解明を目指す.なお,これまでの研究結果については,次年度中の学会での研究発表および論文投稿を予定している.
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