2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05451
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
橋本 隆 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
THITAMADEE Siripong 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 微小管 / アラビドプシス / MAPキナーゼ / フォスファターゼ / 変異株 |
Research Abstract |
微小管の様々な構造や機能は微小管に結合する多くの微小管付随タンパク質(microtubule-associated proteins ; MAPs)により制御されている。動物細胞や酵母を用いた研究により、MAPsは機能分化した複合体を形成するとともに、それぞれのMAPは主にリン酸化により微小管結合活性などが調節されている。植物細胞のMAPsは近年いくつかクローニングされるようになったが、これら植物MAPsの機能がどのように制御されているのかは全く不明である。 本研究では微小管のリン酸化による機能制御に関与するフォスファターゼの機能解析を行う。アラビドプシスのphs1-1変異株はMAP kinase phosphataseのkinase interaction motifの保存アミノ酸がミスセンス変異(R64C)したドミナントネガティブ型変異である。表現型は表層微小管がやや不安定となり、根が左巻きに傾いて伸長する。EMSで変異処理したphs1-1後代から単離されたサプレッサー変異株のうち、PHS1遺伝子内のintragenic変異はPHS1で保存される機能不明の領域に集中した。これらのミスセンス変異がフォスファターゼ活性を阻害するのかどうかを検討するために、変異型PHS1を大腸菌で発現させた。今後、変異型PHS1の酵素活性を測定する。 また、PHS1とそれ以外の微小管機能に関与するフォスファターゼであるTON1/2の細胞内基質を同定するために、エストラジオールによる発現誘導系をもちいて、これらのフォスファターゼの機能を条件的に阻害できるようなベクターを構築した。今後、培養細胞や植物体を形質転換し、フォスファターゼの発現の有無でリン酸化状態が変化するタンパク質を調べる。
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