2006 Fiscal Year Annual Research Report
牛乳のDMBA乳腺腫瘍の発生に及ぼす影響-妊娠牛と非妊娠牛から搾った牛乳の比較
Project/Area Number |
05F05504
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
星 和彦 山梨大学, 医学部附属病院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
QIN LiQiang 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 外国人特別研究員
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Keywords | 牛乳 / Estrogen / 乳腺腫瘍 |
Research Abstract |
日本人の食文化には牛乳を飲むという伝統はなかった。1947年からの50年間で牛乳の年間消費量は15倍に増えた。近年、市販牛乳に含まれている女性ホルモンが人間に悪影響を与えるのではないかという議論が盛り上がっている。 本研究では、まず乳腺腫瘍を発生させる目的でラット全てに10mgのDMBAを投与した。腫瘍の大きさが規定した標準を満足することを確認した後、ラットを以下の3群に分類した。1)milk飲用群;2)water飲用群;3)control群。Milk群とwater群のラットは卵巣を摘除した。Control群は水を飲ませた。そのラットは手術操作を行ったが、卵巣は摘除しなかった。ラットはさらに10週間飼育された。 Control群のラットには卵巣由来のestrogenが存在するため、腫瘍の数が増え、大きさも増大した。一方、milk群、water群のラットの腫瘍数、大きさは時間とともに減少した。実験終了の時、milk群の腫瘍率(5/18=27.8%)はwater群(0/18=0%)に比べると、有意に高くなっていた。Control群の子宮重量は0.44±0.13gであったが、milk群の子宮重量(0.13±0.033g)はwater群(0.11±0.02g)より有意に重くなった。血漿中のホルモンを測ると、milk群、water群、control群でそれぞれ38.7±8.2pg/ml,32.2±8.82pg/ml,45.2±11.282pg/ml (17β-estadiol),4.4±1.2ng/ml,3.3±0.6ng/ml,8.4±1.9ng/ml (progesterone)であった。Control群はestadiol、progesteroneとも高値をしめしたが、milk群のprogesteroneはwater群よりも有意に高くなった。 ラットの卵巣を摘除しでも、牛乳を飲むラットは子宮が重く、腫瘍率が高かった。牛乳の中に含まれているホルモンの影響は無視できない。
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