2005 Fiscal Year Annual Research Report
アンドロゲンによる雌ウナギの早期成熟誘起技術の開発
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05J00244
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Research Institution | Fisheries Research Agency |
Principal Investigator |
松原 創 独立行政法人水産総合研究センター, 養殖研究所・生産技術部, 特別研究員 (50459715)
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Keywords | ウナギ / 卵形成 / ステロイド / TGF-β / GDF9 / BMP15 |
Research Abstract |
ウナギは、水産養殖上極めて重要な魚種である。しかし、現行の人為催熟技術によって得られる卵では、仔魚の生存日数にばらつきが大きいため、卵質の改善が望まれている。 魚類特有のステロイドである11-ケトテストステロン(11-KT)は、ウナギ雌において卵成長の初期過程を促進することが確認されている。しかし、この11-KT作用の詳細はほとんど分かっていない。そこで本年度は、11-KTで処理したウナギ雌において特異的に発現している遺伝子のクローニング及び発現解析を行った。 その結果、11-KT処理を施したウナギ卵巣から、哺乳類で卵巣特異的に存在し初期卵成長に関与することが知られている2種類のトランスフォーミンググロースファクターβ(TGF-β)スーパーファミリーcDNAを単離した。これらのTGF-β cDNAは既に配列が明らかになっているゼブラフィッシュのgrowth differentiation factor 9(GDF9)及びbone morphogenetic protein 15(BMP15)と極めて高い相同性を示した。次に、11-KT処理を施した雌ウナギ各組織におけるGDF9及びBMP15の発現を調べたところ、卵巣で強い発現が認められた。しかし、卵巣以外にも脳や頭腎にも発現していることがわかった。従って、これらの遺伝子は11-KTにより誘導され、その作用は卵巣のみではなく様々な組織で多岐に渡っていることが示唆された。
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Research Products
(2 results)