2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J02106
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
笠谷 昌弘 京都大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ダブルアフィンヘッケ環 / 非対称マクドナルド多項式 / qKZ方程式 |
Research Abstract |
私は,GL型アフィンHecke環(AHA)およびダブルアフインHecke環(DAHA)の多項式表現を用いて,量子Knizhnik-Zamolodchikov方程式(qKZ方程式)の多項式解を構成した. AHAとはアフィンWeyl群を変形したものであり,DAHAとはAHAを拡張する形でI.Cherednikにより導入された代数である.GL型DAHAは代数のパラメータを2つ持ち,その多項式表現については,パラメータが一般の場合は既約であることが知られている.また17年度出版された私の成果によると,あるパラメータ特殊化Sの下では,ある零点条件を用いて部分表現の列が構成できる. 一方,I.Frenkel, N.Reshetikhinによって導入されたqKZ方程式とは,量子群の表現に関する頂点作用素の行列要素が満たす差分方程式系である.これまでに,レベル1の場合は頂点作用素のボソン化(小山佳孝氏による)を用いて中屋敷厚氏により多項式解が与えられており,また私とV.Pasquier氏との最近の共同研究では,特別な非対称Macdonald多項式を用いて,レベル-1/2の特別な多項式解が得られていた. 私は竹山美宏氏(筑波大)との共同研究で,DAHAの多項式表現や非対称Macdonald多項式を用いて,qKZ方程式の多項式解を構成した.この構成では,代数のパラメータが一般,特殊(S)の場合に応じてそれぞれ方程式のレベルが一般,有理数の場合の解ができる.特に,前述のレベル1や-1/2の解は我々の手法で再構成される.
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Research Products
(1 results)