2005 Fiscal Year Annual Research Report
γ線バーストのプロンプト放射および残光観測によるバースト中心天体の解明
Project/Area Number |
05J03062
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
中川 友進 青山学院大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ガンマ線バースト / HETE-2 / すざく / Swift / 高密度天体 / 中性子星 |
Research Abstract |
本年度は「すざく」衛星(Astro-EII衛星)を用いてX線残光を観測するための準備、および実際に観測を行った。観測を効率的に行うために、Swift衛星が捉えたGRBのX線残光が十分な明るさかどうか、「すざく」衛星が観測可能な天空で発生したかどうかを自動的に判定し、携帯電話等へ速報するシステムを構築し、2005年12月より運用を始めた。2006年1月5日にSwift衛星が捉えたGRB060105は「すざく」衛星が観測可能な天空で発生し、我々はX線残光の観測をGRB発生から5時間後に行った。残念ながらX線残光中に金属輝線は見付からなかったが、打ち上げから半年後の時期にわずか5時間後(過去最短)に観測を行ったのは快挙であり、我々の監視・観測体制が良好に機能している証拠である。 HETE-2衛星を用いたプロンプト放射の研究も行った。HETE-2衛星は本年度は9個のGRBの位置を決定した。その中で代表的なものは2005年7月9日に捉えた継続時間が短いGRB(GRB050709)である。我々HETE-2チームは発生後すぐに位置を決定し世界中の研究者へ速報した。地上の望遠鏡の観測により、継続時間が短いGRBとしては世界で初めて可視光残光が検出された。GRB050709より以前にSwift衛星が捉えたGRB050509Bにより、継続時間が短いGRBの一部は中性子星の合体が起源という説が有力となっていたが、GRB50709の残光観測によって決定的なものとなった。また、GRB050709のプロンプト放射に続いて、160秒の間10keV以下に放射が見られ、これはX線残光の始まりだと考えている。このような10keV以下の研究はHETE-2衛星のみに出来ることである。HETE-2衛星によるGRB050709の観測結果はNature誌に掲載された(Villasenor et al.2005)。
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Research Products
(2 results)