2005 Fiscal Year Annual Research Report
表現主志運動において文学キャバレーが果たした役割とその歴史的意義を明らかにする
Project/Area Number |
05J03544
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
西岡 あかね 岡山大学, 文学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | ドイツ文学史 / 表現主義 / 前衛研究 / 文学キャバレー文化史 |
Research Abstract |
本年度は、資料調査・収集を主な目的として、ドイツ語圏各地で研究を行った。調査した資料は以下の通り。 1.ベルリン国立図書館・「シュトゥルム」文庫所蔵の、ヘルヴァルト・ヴァルデン宛書簡。この資料によって、「シュトゥルム」グループと「新クラブ」、及びクルト・ヒラーの交流の様子を裏付けることが出来た。 2.ベルリン市立文書館所蔵の、劇場検閲書類。調査の対象としたのは、1900-1914年の期間に、ベルリン市警察が文学キャバレーを対象に行った検閲の記録である。 3.マールバッハ・ドイツ文学文書館所蔵の、表現主義関連の遺稿資料。マールバッハでの調査では、特に、フリードリッヒ・シュルツェ=マイチアーの遺稿中、現在までその存在が知られていなかった、「新クラブ」のメンバーからの書簡を発見した。これによって、「新クラブ」の活動状況に関する新たな知見を得ることが出来た。 4.ロベルト・ヴァルザー文書館、クンストハウス・ダダ文書館(チューリッヒ)における、チューリッヒ・ダダ関連の資料調査。 5.ニーナ・シュナイダー女史個人所蔵の、K.L.シュナイダーの遺稿。特に、「新クラブ」とゲオルク・ハイムに関して新たな資料を得た。 収集した各資料は、これを順次、二次文献とも対照させながら分析した。この過程で、一部の資料から得た新たな知見を、2004年6月に受理された博士論文の、「新クラブ」に関する章に織り込んだ。改稿された博士論文は、本年度3月に出版された。 その他、本年度は、以下のコロキウム等で本研究の要旨を発表した。 1.2005年5月、ペーター・シュプレンゲル教授(ベルリン自由大学)主催の研究コロキウム 2.2005年9月、ハンブルクで開催された、クルト・ヒラー協会定例会
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