2005 Fiscal Year Annual Research Report
β-クリプトキサンチンの骨代謝調節機能とその細胞分子機構並びに骨粗鬆症の予防
Project/Area Number |
05J05484
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
内山 聡志 静岡県立大学, 生活健康科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 骨粗鬆症 / 骨形成 / 骨吸収 / 骨芽細胞 / 破骨細胞 / カロテノイド / 卵巣摘出 / 糖尿病性骨減少 |
Research Abstract |
骨粗鬆症は治療に加えて予防が極めて重要である。本研究においては、温州みかん成分β-クリプトキサンチン(CRP)の新しい生理作用として骨代謝調節機能を解明し、その骨粗鬆症の予防への展開を試みた。 これまでの研究により、CRPは骨組織培養系において、骨形成促進作用と骨吸収抑制作用を発現することが明らかにされた。さらに、その分細胞子機構と骨粗鬆症予防への有効性について究明した。 まず、CRPの骨形成促進作用の細胞分子機構について、骨芽細胞MC3T3E-1培養系を用いて調べた。CRP(10<-8>-10<-6>M)は骨芽細胞の細胞増殖を促進した。また、CRPは骨成長因子のIGF-I並びにTGF-β1さらには、骨芽細胞分化誘導因子のRunx2の発現を有意に増加し、その石灰化を促進した。これらの作用はCRPによる転写活性増進に基づくことが明らかとなった。 一方、CRPの成熟破骨細胞に及ぼす作用を調べた。CRPはBcl-2発現の抑制しカスパーゼ3発現の増進し成熟破骨細胞のアポトーシスを誘導した。さらに、CRPは成熟破骨細胞の骨吸収活性を減弱することが明らかとなった。 次に、CRPの骨粗鬆症の予防への有効性について究明した。CRP(5及び10μg/100g体重)の14日間の経口投与は、実験的糖尿病性骨粗鬆症モデル動物であるストレプトゾトシン誘発I型糖尿病モデルラットの骨減少有意に修復することが見出された。さらに、CRP高含有ミカン果汁の健常人の摂取(1.54あるいは2.88mg/192ml/日の28あるいは56日間の摂取)は骨形成マーカーの増加と骨吸収マーカーの低下もたらすことが見出された。 このように、β-クリプトキサンチンの細胞分子機構が解明され、本因子の骨粗鬆症への有効性が見出された。
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Research Products
(4 results)